第483話初音の感知力
洗面所で少しの間天銀を待っていると、やがて天銀がそーくんの下着と思われるものを持ってきた。
・・・いや、思われるものじゃなくてあの下着はそーくんのもの。
「あの、最王子くんの脱ぎたての下着を持ってきま─────」
私はそーくんの下着を他の人間に1秒でも触れてほしくないため、すぐにそれを手に取り、匂いを感じることにした。
「ん〜っ!」
私はその匂いを嗅いで、生を実感した。はぁ、これがそーくんの匂い・・・❤︎
やっぱりそーくんホルモンは最低でも1日5回は摂取しないと死んじゃう・・・
「はぁ、早くそーくんから私のこと襲ってくれないかなぁ・・・」
そーくんが「初音、俺、もう・・・我慢できない・・・」とか言ってくれて、じゃあ私が「だ、だめ・・・!まだ、私、心の準備が・・・」って言ってじゃあじゃあそーくんが!「無理だ、待てない!」とか言って!私の唇を無理やり奪って私の衣服とかも全部無理やり脱がせたりして、私の体をそーくんの性欲の赴くままに貪ってくれたりして───最高すぎるよ・・・!
「はぁはぁはぁ・・・❤︎」
だ、だめ、そーくんに会いに行かないと・・・はぁはぁ❤︎
私は自分でもわかるぐらい荒い息を、そーくんの前でこんな姿を晒すわけにはいかないと思い、呼吸を整えてからそーくんの部屋に向かい、そーくんの部屋に入った。
すると中では、そーくんが退屈そうにトランプを弄っていた。
・・・え、何それ!?可愛い!誘ってるの!?
1人でトランプを弄ってる=退屈アピールして私のこと誘ってる=私とえっちなことがしたい=襲ってもいいってことだよね!?
私は世界一幸福な数式を説いてから、そーくんに抱きついた。
「そーくぅん!」
「は、初音!?」
そーくんは驚いたように目を見開いてトランプを落とした。
─────瞬間、私はそーくんの服から`メスの匂い`がしてることを感じ取った。
「・・・そーくん」
「・・・え?」
私がさっきのテンションとは裏腹にいきなりテンションが下がったからかそーくんは驚いてるみたいだけど、今はそんなこと気にしてる場合じゃない。
「メスの匂いがするんだけど」
「・・・・・・」
そーくんは少しだけ間を空けてから言った。
「こ、こんなに大勢と同棲してるんだから、朝食の時だって顔合わせするし、そのぐらいは仕方ないだろ?」
確かに不本意にも私以外の女も含めて一緒に同棲しててその同棲を私も認めてるなら女の匂いがついちゃっても仕方ない、そんなことで私はそーくんに怒りたくなんてない。でも─────
「`興奮してる時のメスの匂い`がするんだけど」
「・・・・・・」
そーくんは少しの間黙り込んだ。・・・はぁ。
「そーくん、今言ったら許してあげるよ?」
今そーくんが正直に言えば当然罰は与えるけど反省してると思ってそんなに酷いことはしない。
「・・・・・・」
それでも黙るそーくんに、私は追い討ちをかける。
「カメラ見れば全部わかるんだからね?」
「っ!」
そーくんはやっぱり思い当たる節があるのか、思い出したような声をする。・・・はぁ、私が隙なんて見せるわけないのに、なんでそーくんは浮気しちゃうんだろ・・・ううん、わかってる。
悪いのはそーくんじゃなくてそーくんを惑わす女。そんなことはわかってるけど、やっぱりそーくんにはもうちょっと自分を大切にしてもらわないと・・・
「私、ちょっと自分の部屋に戻ってカメラ確認してくるね」
私はそーくんを焦らせるためにそう言ってそーくんから離れようとする。
────でも、こうなった時のそーくんの行動パターンは・・・
「ま、待て、初音!わ、悪かった、実は、その・・・ちょ、ちょっとだけそういうことになったんだ・・・」
「・・・・・・」
隠してバレるリスクとせめて自分で言うリスクを天秤にかけて素直に自分で言う。・・・そんなそーくんも可愛い❤︎
そーくんに待ってって止められるのは悪い気はしないけど・・・今はそのことについて詳しく聞いて、場合によっては処罰も考えないとね・・・
そーくんが浮気なんてしようとしなかったら、私だって普通にそーくんと愛し合えるのになぁ・・・
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