第440話レンタル彼女
「・・・そうだ」
俺はおそらく今なら初音は見ていないだろうと踏み、あゆが俺の写真を待ち受けにすると言って今色々と設定しているという誰にも監視されていない状況下だったんのでスマホでとあることを検索する。
それは監視されていない状況下でだけで行えるラノベ検索────ではなく、バイト探しだ。
この足じゃバイトをするのは難しいかもしれないけど、治れば即座にでもバイトをしたい。実はそのための口実も少しは考えている。
・・・そういえば足が動くようになったら立ってキスをする約束をしたんだったな・・・そのことは一旦忘れよう。
「・・・あ」
『レンタル彼氏 一時間4000円』
なんだこれ、絶対に詐欺だろ。
一時間で4000円も稼げたら仮に12時間働いたらそれだけで48000円になる。
「って、何を見てるんだ俺は、こんなの初音が許容してくれるわけないだろ!」
その後も求人サイトを下にスクロールしていくと、変わった表記があった。
『レンタル彼女 指名してください 一時間一万円』
「えぇ・・・」
指名してくださいで一万円って・・・下手したら赤字になってるんじゃないか?
「別に応募する気はないけど好奇心で詳細を見てみよう」
俺は詳細ボタンをタップし、その直後に出てきたこの応募主だと思われる人の顔画像に驚く。
「えっ・・・!?」
あゆが傍にいるからあまり大きな声は出せないけど、なんだこの人・・・なんていうか、可愛いというか可憐というか・・・なんでこんな美人な人がわざわざお金出してまで指名を要求してるんだ?そんなことしなくても良さそうなのに・・・
「えーっと・・・?」
年齢・・・16歳!?そうは見えないほど綺麗な人だな。
でも確かに16歳の未成年をレンタルするなんてだいぶ勇気がいるだろうから、それでこんなお金を払ってまで指名を応募してるのか。
「まぁ、初音がいるのにそんなことできるわけないけどな」
俺は俺には関係ないと思い、そのサイトを見るのをやめようと画面をタップした────が、間違えて応募のボタンを押してしまった。
「えっ?あっ!ま、間違えた!」
俺はすぐにその応募を取り消そうとしたが『応募ありがとうございます 受理されました 日程 7月中旬』という表示がされた。
「・・・え?」
嘘だろ?こんな一瞬で受理されるのか?
・・・行かなかったら冷やかしとか言われて公務執行妨害とかになるかもしれない。・・・わからない、初音とかに聞いてみるか?
って、いやいやいや、初音にレンタル彼女応募したなんて言ったら殺される。
かといって結愛に言っても殺しはしなくても色々言われそうだし、あゆ・・・は「そんなに飢えてるなら私でいいじゃないですかぁ」とか言ってくるのが正直目に見えてる。
霧響・・・は、どうにかしてくれそうだけど妹に「レンタル彼女応募した」なんて言う鋼のメンタルを俺は持ち合わせてない。
「・・・はぁ」
まぁ、とりあえずその日程に行くだけ行ってお金は要らないからと断ることにしよう。・・・もし時間を返せとか言われたら少しはお金を払う覚悟もしておこう。
「何がはぁなんですかぁ?あっ!私の足に欲情─────」
「してない!」
それから少しの間、あゆの言葉遊びに付き合った。
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