第436話別れの勧め
初音が初音の部屋に入って行き、リビングでは少しの間結愛とあゆが俺の介抱・・・って言ったら大袈裟かもしれないけど水を持ってきてくれたり背中をさすってくれたりした。
そして、俺が落ち着いたぐらいの頃・・・
「そーちゃん!」
「先輩!」
「・・・ん?」
2人して同時に俺に何かを言いたそうな目で見てきた。・・・目だけじゃなく声だけでも分かりそうだ。
「絶対に別れた方がいいよ!」
「絶対別れた方がいいですよっ!」
「・・・・・・」
まさかの2人同時に別れの勧めとは・・・まあ確かにさっき首を絞められたんだから否定するのは難しい。
「で、でも・・・」
一度別れてまた付き合ったのにまた別れるとううのはかなりハードルの高いことだ。そうそう答えを出せるわけもない。
「そーちゃん首絞められたんだよ!?」
・・・反論できない。
「そうですよ!さっきの白雪先輩の目すごかったんですよ〜?私でも引きましたし」
あゆでも引くというのは本当にレベルが高いことなんだろう・・・反論できない。反論できない・・・けど。
「で、でもなんか別れるっていうのはな・・・そ、それに俺は今なんともないわけだし・・・」
「それを結果論って言うんですよ〜?」
「うっ・・・」
的確なところを突いてくる当たりやっぱり嫌な性格をしている。
「このままじゃ、そーちゃんの命が持たないよ?」
そこは`身が持たない`だろ普通は・・・命がとかに言い換えられると本当にリアルさが増すからやめてほしい。
「・・・・・・」
「先輩!なんなら私は白雪先輩と別れてくれるなら私との二股でも全然おっけーですから早く別れちゃってくださいよ〜」
「それは全然おっけーじゃないだろ!」
あゆはなんていうか・・・普通の恋愛とか言ってるけど二股には寛容的なのか。とりあえず俺と初音を別れさせたいというのが伝わってくる。そういえば最初からそうだったような気がするな。
「・・・この女と二股っていうのは嫌だけどあの虫とそーちゃんが付き合ってるっていう事実が消えるなら私はそれでもいいよ」
結愛も同じ意見なのか・・・そう言われても、二股なんてできるわけがない。
仮に初音と別れて結愛とあゆと付き合ったとしてもこの2人がいつまでも二股を見逃してくれるわけがない。絶対にいつか争いが起きる。
それだと結局何も変わらない。
「・・・はぁ、それにしても先輩ってほんっと〜に女運ないですよね〜」
「そうだね」
あゆと結愛がお互いに視線を送ってから言った。・・・2人とも相手が普通の人じゃないっていうのはわかってるみたいだけど自分が普通じゃないっていうのは気づいてないのか、もしくは気づいてるけど相手の方が絶対におかしいと思ってるのか、みたいな感じの顔つきで見合っている。
「・・・あっ、そうだそーちゃん、1人でお留守番しててちょっと気になったことがあるんだけど」
気になったこと・・・?家の管理のこととかだったら俺じゃなくて初音に聞いてもらわないとわからないけどとりあえず聞いてみよう。
「なんだ?」
「そーちゃんって、どうやって性欲発散してるのかなって・・・」
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