第409話別宅での三者対面
幸い、私は玄関側のインターホンにいたのですぐにそれに気づくことができて、玄関のドアを閉めにいく───ではなく、リビングに向かう。
どれだけ家に入られたって、最悪先輩さえ奪われなければ勝ちだし。
「先輩!」
私がリビングに行くと、先輩は車椅子から降りていて、這うようにしてどこかに行こうとしてるけど、足を動かすことができなくて腕にはまだ筋弛緩剤の効果が継続してるから、腕で這おうにも動けないって状況。
「何してるんですか〜」
「あっ、あゆ・・・!?」
先輩は驚いたように私のことを見た。でも、これで先輩の安否も確認されたし、あとはここで先輩を守ればいいだけ───パリンッ。
「えっ!?」
先輩が驚いたような声を上げた。この音は…2階廊下の窓ガラス!
私が確認しに行こうとした瞬間に、2階から足音が聞こえてきた。それもかなり早い。
その足音が私の目の前で止まり、そのものすごい音の足音を立ててここに来たのは────白雪先輩だった。
「そーくん!大丈夫!?」
「は、初音・・・」
白雪先輩は先輩を見て動揺したように言う。先輩は一応ズボンは履いてるけどちょっとズレてるのがわかる、そしてそれは白雪先輩にもわかったこと。
なんとか前のチャックだけは閉めれたんだろうけど、白雪先輩を揺するだけなら十分・・・
「実はさっきまで先輩とえっちなことしてたんですよ〜、ね〜?せんぱ〜い❤︎」
「うっ・・・」
こう言う時先輩は嘘をつけずすぐに動揺するからわかりやすくて扱いやすい。
「え、そーくん・・・?否定しないの?」
「い、いや、その・・・無理やり・・・」
・・・本当ならここで「先輩から懇願してきたんじゃないですかぁ〜」って言う予定だったけど先輩はずっと耐えて懇願してこなかった・・・嘘をついてもいいけど先輩が嘘をつかないのは白雪先輩にもわかるはず、嘘をつけるならあんな露骨に反応したりしないし。
「・・・どこまでされたの?そーくん」
「そ、それは────」
「今言えば両手足だけで済むよ?」
「両手足は確定なのか!?」
「私のことこんなに不安にさせてるんだよ?当たり前でしょ?」
「・・・はい」
「・・・・・・」
やっぱりこんなの恋愛じゃない。先輩の言う通り、さっき私が無理やりしたことも普通の恋愛じゃないけど、毒に支配されてる先輩を解放するためにはやっぱり毒を使うしかない。解毒剤がないから・・・
目には目を・・・でも、ここは絶対に選択を間違えられない。
もしここで私が煽ったりしたら白雪先輩は私の次に多分先輩まで殺す。
ならここは・・・
「わかりました!白雪先輩!それと後ろで聞いてる天銀先輩も!」
「・・・バレてましたか」
リビングの陰から、天銀先輩が姿を現した。まあ、ここまでの状況になってずっと家の前になんているわけないって思ったからカマかけしただけなんだけどね♪
「私から提案があるんですけど〜、よかったら私と白雪先輩と天銀先輩と先輩の4人で一緒に生活しましょう!もちろんここにいない結愛先輩でもいいですよ?」
「・・・はあ!?」
先輩だけオーバーリアクションを取って、他の2人は考えている様子だった。
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