第408話天銀の別宅来訪

「はぁ・・・」


 せっかくあとちょっとで先輩堕とせそうだったのに、なんで邪魔するかなぁ

・・・あのまま無視してもよかったけど、先輩に変な希望与えたくないし、問題は排除しとかないとダメだよね〜。


「はい」


 インターホンを通話状態にして、私はインターホンに出た。相手は・・・白雪先輩か、結愛先輩のどっちかな。どっちでも対応は同じだけど。


『最王子くんを出してください』


「いきなりですね〜、えーっと、誰ですかぁ〜?」


 ・・・ん〜?誰だろ、帽子被ってて誰かわかんないけど・・・最王子くんなんて呼び方、白雪先輩と結愛先輩はしないだろうし・・・じゃあ先輩のお友達さんの誰かとか?でもなんでここに来たんだろ、っていうかどうやってここがわかったんだろ。


『天銀です』


「天銀・・・先輩?」


 やっぱり今日会った先輩のお友達かぁ〜・・・それに、天銀先輩、ね。

 気になったことがあったから聞いてみてもいいかもだけど、今は別にいっか。


「で、なんのようですかぁ?」


『さっきも言いましたが、最王子くんを出してください』


 ここまで強引に言ってくるってことは先輩がこの家の中にいる絶対の確証があるから・・・ならここで嘘をついても逆効果。


「出すも何も〜、先輩は私の恋人なんだからいいじゃないですかぁ〜」


 大体先輩が出すのを我慢させてるのはそっちなんだけどな〜、こうしてる間も先輩は私に出させて欲しくて切なくなって・・・それはそれでアリかも。


『ダメです、スタンガンで気絶させて無理やり家の中に入れるなんていう行為は到底認められるものじゃありません』


 っ・・・?なんで天銀先輩がタワーマンションの時の情報を・・・?

 白雪先輩と繋がってるならあり得なくはない。なら、ここに来たのも白雪先輩の指示で・・・?


「へぇ〜、でも直接カメラにスタンガンが映ってたわけじゃないですよね?」


『それは・・・』


 スタンガンを見慣れた人にはあの映像だけでも先輩の反応から当たり前のようにスタンガンを当てられたとわかるだろうけど、私は監視カメラのことも考えて角度的に手元を見えないようにして先輩の首元にスタンガンを当てた。

 状況証拠的にスタンガンを当てたことにされたとしても、その瞬間さえ映ってないなら立件まで持っていくのは難しいはず、幸い先輩今足怪我してるし、足に痛みが走って痛みで気絶した、なんて言ってもいいかも。


『あくまでも僕は今個人的に話しています、あなたがスタンガンを当てたと言う事実はあります』


「・・・じゃあその妄想が当たってたとしても、先輩と私は今実際恋人同士なんだから天銀先輩にそれを邪魔する権利なんてないですよね〜」


「いえ、恋愛がという話ではなく────」


`ガチャ`


「・・・えっ?」


 この家の玄関のドアの鍵が開いた音がした。・・・なんで?

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