第399話初音と監視カメラ映像
放課後、今から帰ると言うときにあゆが迎えに来て、いきなり変なことを言い出した。
「せんぱ〜い、熱中症には気をつけてくださいね〜?」
変なことは言いすぎた、普通に心配してくれてるだけかもしれない。
「あ、ああ、大丈夫だ、まあもう夏だし気をつけないとな」
「先輩は熱中症って言えますかぁ?」
「言える」
熱中症なんて別に特段滑舌が悪くなければ言えないような言葉じゃない。
「じゃあ言ってみてください!」
「熱中症」
「・・・今言えてましたぁ〜?もう一度、ゆっくりとお願いしま〜す」
今絶対に普通に言えてただろ・・・仕方ない、今度こそごまかしようがないようにゆっくりとしっかりと言おう。
「ねっ、ちゅーしよー・・・はっ!」
「わかりました!」
「ちょっと待て、今のは違────」
`チュッ`と、あゆは俺の唇に軽くキスをした。
「あ、あゆ・・・!」
「先輩からキスを求めてくれるなんて、嬉しいです〜❤︎じゃっ、帰りましょ?」
こんな小学生の言葉遊びみたいなやつではめられてしまうなんて・・・
ー初音Partー
今は朝で、いつの間にかそーくんの姿があの女と共に消えていた。
「死ぬっ!死ぬぅぅ・・・今頃そーくんが〜!」
きっと抵抗できない足で無理やりあの女に陵辱されてるー・・・!
「そーちゃん・・・!」
「大体ウイルスさえいなかったらそーくんを見失うことだってなかったのに!」
このウイルスと口論してたせいで、いつの間にかそーくんとあの女が居なくなってることに気づけなかった。っていうかこいつと口論さえしてなかったらそもそも居なくなるなんて失態を犯すこともなかった。
「それはこっちもなんだけど?そーちゃん・・・!そーちゃん・・・!」
ああ、もう、こんなやつに構っててもダメ、とりあえずこのマンションの監視カメラから後を辿らないと・・・私は自分の部屋に戻って、監視カメラの映像の確認に入った。
そーくんがあの女と一緒に玄関に向かって外に出たところから監視カメラの映像でそーくんを追跡していく。
「・・・え!?」
そーくんがあの女にスタンガンで気絶させられて、そのままあの女とそーくんは25階にエレベーターを止めて、自分の家らしいところに向かった。
「・・・・・・」
冷静さを忘れたら負け・・・そうだ、あの女を殺す前にそーくんと色々ベッドんも上でしたっていうのが本当か、確かめないと。もし本当ならそーくんにもお仕置きしなきゃだし。
私はそう思って、あの女から聞いていた時間帯に時間を合わせ、その一部始終を見た。
そこには、そーくんからあの女に夜這いをかけて逆にあの女に無理やりキスされる映像が残っていた。
「・・・いや、違う」
多分そーくんは寝顔を確認しようとしただけで、夜這いなんてする度胸はない、そんな度胸があるなら私はこんなに苦労してないわけだし。
でも、それにしたって・・・やっぱりあの女は殺す。
『白雪先輩〜、先輩と濃厚なキスをしちゃいました〜❤︎美味しかったです〜、今度は先輩の初めてを頂きたいと思うので、その時はお願いしますね〜』
という音声が監視カメラと連動しているスピーカーから流れてきた瞬間、私は画面を近くにあった中期のベンズナイフで叩き割っていた。
「・・・あっ」
私はとりあえず監視カメラで確認できた、あの女とそーくんが入っていった部屋の前で見張りをすることにした。・・・あの後出かけたんだとしても、夜には帰ってくるはず。
その後、なぜか食用食品としては立派な贅肉を持ったウイルスもついてくるといって、最悪だけど2人であの女とそーくんを待つことにした。
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