第388話総明のSM勘違い
「・・・・・・」
「どうなんですかぁ〜?せぇんぱ〜い」
これは俺の考えすぎかもしれないけどあゆがお願いという名の懇願と命令という名のちょっと強気な感じに分けたのにはそれを見極めるためだと考えている。
・・・俺だって弄ばれるばかりじゃないということをそろそろあゆにも示さなければならない。俺の答えはこうだ!
「俺の制服を俺に渡せ───って思うから渡してほしいです」
ど、どうだ!これが両方混ざった最高の模範回答だろう。
「・・・え?いや・・・え?何言ってるんですか先輩」
「・・・え?」
あゆが割と本当に驚いているような態度を見せた。な、なんだその反応・・・
「えっ、俺がSかMかを見極めるための言い方じゃなかったのか・・・?」
「S・・・?M?え、本当にどうしちゃったんですかぁ〜?」
「・・・・・・」
は、恥ずかしいいいい!!完全に俺の変な思い過ごしだった!あゆのことだから何か裏があるんだろうと思って読んでみたけど結局は本当にただただあゆがふざけて言っただけであって、こんな変な答えではなかった。
「あっ!なるほど〜、そういうことかぁ〜、私が妄想した強気な先輩を見たいなと思って適当に出しただけなのに先輩は変に深読みしちゃった結果・・・って子ですよね〜♪わぁ〜恥ずかしい♪」
「や、やめてくれえええええええ!!」
俺は耳を塞ぎたくても、この手のやつが邪魔で耳を塞ぐことすらできない。
「ん〜、でも先輩って実際どうなんですかぁ〜?SMで言うと」
「どっちでもない!」
と俺自身は思ってるけど、実際はどうかわからない・・・もしどちらかがあると言う前提で話を進めるのなら俺はどちらもあると言う回答に至ると思う。
「へぇ〜、因みに私はMですよ〜?」
「・・・は?いや、嘘つけ!」
あゆでMなら全人類Mだ。むしろあゆ以上にSっ気の強い人なんていないとさえ思ってる。
「酷いですよせんぱ〜い、私が強烈なサディストでも言うんですかぁ〜?」
「まさにその通りだ」
「・・・私えっちの時はリードしてほしいんですよ〜」
「・・・・・・」
そんなこと俺に言われても何て返せば良いのかわからない。かといって耳を塞ごうにも拘束具が邪魔だ。・・・俺はこんな拘束をされて何を聞かされてるんだ。
「でも好きになったのが先輩みたいな人だからリードしてもらうのは難しいかなぁって、だって先輩なんていうか・・・早そうですし?」
「うっ・・・」
それは初音にされた時のことが蘇るから言わないでほしい。
「まぁ、先輩みたいなヘタレをリードしてあげるのが私の役目ですしね♪」
「ヘタレヘタレって言うな!良識があるって言え!」
「いやいや、良識なんてレベルじゃないですよ〜?普通女の子3人に言い寄られて誰にも手出さないなんて、本当に病気を疑うレベルですよ」
あゆは少しの間を空けて、毒を吐き捨てるように言った。
「先輩、なんか怯えてますよね」
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