第372話結愛の考えとあゆの策略

「・・・・・・」


 私はそーちゃんが先に出て行った脱衣所に1人で残っていて、ついさっきのことを思い出して心の中で喜ぶ。


「そーちゃんの・・・そーちゃんが・・・!」


 そーちゃんも無意識か意識的なのかわからないけど手を置いたりして隠してたけど、そんなので誤魔化せるほど私はそーちゃん観察を怠ったりしてない。


「しかもあの反応・・・」


 まだ全然付け入る隙はある!本当ならそーちゃんに浮気、ましてやあんな虫なんかと浮気なんて絶対にしてほしくないけど、とにかく私が恋人に上がることが重要。そーちゃんの中で私が`幼馴染`っていう認識のままだと今後もこの関係が変わることはない。

 だからまずはどんな手を使ってでも一度でも恋人に昇華さえできたら、絶対にそんなことにはさせないけどそーちゃんの気持ちが変わったとしても、幼馴染っていう認識からは脱することはできる。

 そのためにもまずはそーちゃんに私と恋人になってもらうことが絶対条件!

 恋人になった後で絶対にあの女を蹴落として私だけがそーちゃんと恋人になる!


「ふふっ・・・❤︎」


 想像したら笑っちゃいそう。まだ1日しか経ってないのにやっぱり2人きりの空間で、それをより有利に使えるのはあの女より私。

 しかもあの女はそーちゃんの子種を作るところを攻撃するなんて愚かなことをしたけど、その代わり勝手に自爆してくれた。これであと約2週間の間、そーちゃんは私のもの。2週間もあれば・・・堕とせる!


「ん・・・」


 私はさっきそーちゃんが履いていた上着と下着を取ってさっきの感触を思い出しながら、匂いを堪能することにした。


ー総明Partー


 俺はお風呂から上がって、とりあえず自分の部屋に向かった。もしかしたらあゆが何かしているかも知れないからだ。

 俺が自分の部屋を開けると、そこには意外な光景が広がっていた。


「っくっ、っく」


「えっ・・・」


 なんとあゆがベッドの上で三角座りして、顔を膝に当てながら泣いていた。

 演技とかで出せる声じゃなく、本当に泣いている声だ。どれだけ演技がうまくても、直感でわかるものがある。


「あ、あゆ・・・?そ、その・・・」


「せぇん、ぱい?」


 き、気まずい。さっき強く言いすぎたのか?確かにあゆからしたらちょっとしたお遊びだったのかも知れないし・・・仮にも俺に好意を向けてくれてるなら好意を向けた相手にあそこまで言われるのは高校一年生の少女には厳しいことだ。


「いや、その、つ、強く言い過ぎた、その・・・ごめん」


「いいんです、私が悪いですから」


 そう言ってあゆは潮らしくして出て行った。・・・なんでか罪悪感が芽生えてくる。


ーあゆPartー


 は、恥ずかしいい!本当に泣いてるところを先輩に見られたぁぁ!!


「死んじゃう死んじゃう〜!」


 ・・・でも、こんなにお膳立てしたんだから、そろそろ結愛先輩といい感じに行ってるはず、あとは結愛先輩が恋人を確立する前に、白雪先輩をこの家に入れて2人を揉めさせて、その隙に私が・・・完璧〜❤︎

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