第350話ラブホテル
「じゃあ、中入るよ〜」
「待て待て待て待て!ラ、ラブホテル!?なんでこんなところに来たんだ!それに、確かラブホテルって18歳未満はダメなんじゃないのか?」
どこかで小耳に挟んだ話だけど、確かに未成年がラブホテルに入るというのも中々に想像し難いからおそらく本当のことだろう。
「ああ、このラブホテルは親権者の同意があったら大丈夫なの」
た、確かにそういうところもあるのかもしれない、けど・・・
「俺の親が許可するとは思えな───」
するかぁ・・・あの両親ならするか。
「は、初音の親だって娘をどこの馬の骨とも知らない俺と一緒に初音をラブホテルに未成年のうちに行かせることを許可させるなんて事は考えにくい」
「は?もしあいつがそーくんのことを馬の骨なんて言ったら命ないし、あいつに選択権なんてないよ?」
え、確か初音のお母さんは全然どんな人か知らないけどお父さんは社長とかそんなこと言ってたよな、あのタワーマンションとか学校とかも初音のお父さんが関わってるとか言ってた気がする。そんな人が初音に支配されてるのか・・・?いや、お父さんの方なのか?
「ち、因みにそれってお父さんなのか?」
「そうだけど」
親とか血族とか全く関係ないのか・・・初音のお父さんに同情する。
「だから、心配いらないから」
「ま、待て!俺は入るなんて一言も───」
「こんな入り口まで来ちゃったらあとはそーくんの車椅子をちょっと押すだけでいいもんね〜」
そう言って初音は俺が車椅子で足を怪我していて抵抗できないのをいいことに、俺を無理やりラブホテルに入店させた。
「普通のお部屋にしますか?それともSMルームにしますか?」
こんな会話絶対に高校生が聞くような話じゃない。それになんだ、この周りのピンクの怪しい感じは・・・なんか怖くなってきた。色んな意味で。
「VIPルームで」
そう言って初音は謎のカードを見せた。
「こ、これは申し訳ございません!VIPのお客様でしたら、最上階の15階でございます、エレベーターから行けるので、どうぞそこからお行きください」
な、なんだこの対応の変わり方は・・・それにVIPルームってなんなんだ?
「そーくん、いよいよだね・・・」
エレベーターに乗り込むと、初音はそんなことを言ってきた。
「いよいよっていうか、普通にここで数日間生活するだけだろ?」
「え?あの女に攻撃したくないの︎?」
「したいけど・・・?」
いまいち初音が何を言いたいのかよくわからない。
「だよね♪うぅ…ドキドキするなぁ…そーくんも薬局に行かなくていいなんて…避妊なんてせずに子供作ってくれる気になったってことだもんね…任せて!私ソーくんのこと受け止めるからね…!」
「…ん?避妊?受け止める?」
程なくしてエレベーターが15階で止まり、一つだけVIPという看板が貼られている部屋があった。俺たちはその部屋の中に入った。
「えっ!?ちょっと待て、なんだこれ!?」
「わあぁぁぁぁ、どれも楽しそ〜❤︎」
そこには異質な世界が広がっていた。
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