第349話あゆに対する攻撃策
「ホ、ホテル・・・?なんでいきなり?」
別に家が壊れたわけでも、帰れないような事情があるわけでもない。
「あの女に対する一番の攻撃は、そーくんと接触不可能にすること」
「で、でもそれじゃさっき見たいに放置プレイとか言って───」
「いきなり私達がこの家からいなくなったら、あの女はそーくんじゃなくて私が主導してこの家を後にしたって考えると思うよ?」
「・・・それが?」
残念なことに、俺の知能では初音の言っていることがよく理解できなかったので納得ではなく疑問で返す。
「あの女はそーくんに放置プレイとか焦らしプレイをしてもらえるのが嬉しいってことでしょ?・・・訂正、あの女`は`じゃなくて、あの女`も`だね、私はあんまり好きじゃないけどそーくんにそういうことを積極的にしてもらえたら・・・幸せ❤︎」
そんなどうでもいいところ訂正するな!真面目な話なはずなのになんでこんな変な方向に持っていこうとするんだ・・・
「まあ、それは今度たっぷりと話すとして」
話さなくていい。
「私が主導したってことは、要はそーくんじゃなくて私があの女にそーくんを渡さなための防衛策でもあり、精神的攻撃策なの、そーくんがそんなことをしても喜ぶだけだけど、私がしたってわかったらもしかしたら私がそーくんのことを襲っちゃうかもっていう焦りとかが出るでしょ?実際初めてはあげないとか意味わかんないこと言ってたし」
な、なるほど・・・なんとなく理解できた。要は初音が俺を匿ってそれをあゆに悟らせて焦られるってことか。
「で、本当はもっと攻撃的な案があるんだけど・・・そーくん嫌がるだろうし・・・」
「いや、やろう!」
俺にはあゆに対する攻撃案なんて思い浮かばなかった、思い浮かんだなら今のうちにあゆという危険な存在に・・・少なくとも好意を持ってもらうのはやめてもらいたい。恋愛的な意味で。
「・・・本当に、いいの?」
「もちろんだ!俺だって浮気を疑われたいわけじゃない!あゆに対する攻撃になるなら俺も協力する」
「・・・わかった、そーくんの覚悟、受け取ったよ」
なんかその感じかっこいいな。人生で一度は言ってみたい。
「じゃあ、どうする?薬局行きたい?それともこのままホテル行く?」
「薬局・・・?別に行かなくていいけど・・・行きたいのか?」
「私は行きたくないかな〜」
「・・・え、じゃ、じゃあ行かないでおこう」
今の必要な会話だったのか?初音は荷物をまとめると、俺と一緒に外に出て、初音の案内のままホテルに向かった。
「えっ、ここって・・・」
「ラブホテル❤︎」
「はあ!?」
なんでこんなところに来たんだ!?
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