俺の転校先の学校の隣の席は完璧美少女元カノだったー嫉妬さえ失くしてくれたら完璧美少女なのに〜

第289話3人の秘密

「ただいま」

「お帰りなさいません！お兄様と白雪さんと・・・確かお兄様が体調不良の時に来てくださった方・・・？」

「はい、天銀と言います」

　そうか、一応2人は面識があったのか。

「なぜ天銀さんがここに・・・？」

「俺の友達として家に招いただけだ」

「え、友達？いいんですか？白雪さん」

「え？いいって何が？」

「だって天銀さんは女性───」

「天銀と霧響、ちょっと家の前に行こう」

　俺はすぐさま天銀と霧響を家の外に連れ出した。初音には聞こえないぐらいの距離に移動して、俺は早速問い詰める。

「なんで霧響が天銀の性別を知ってるんだ？」

「どうやら僕を見ただけでわかったみたいです」

「え！？」

「当然です、さらしを巻いているようですが、そんなものでは私の目は欺けません、おそらく私よりも豊満な胸を持つあなたのことはすぐに女性だとわかりました」

　すごいなと思ったけど胸で判断したのか・・・

「でも初音は気づいてなかったよな？」

「白雪さんは・・・なんというか、胸が私たちほどないので胸の機微には疎いのでしょう」

　もしこの発言を初音が聞いていたら霧響はどうなってたかわからないな。

「でも、初音は天銀に浮気調査を依頼する際に、天銀の情報とか調べなかったのか？それこそ性別とか」

「調べていたとしても僕の性別欄には男性と記入されているので、気づかないもの仕方のないことです」

「なんで男性って記入してるんだ？」

「探偵とか警察とかは男社会ですからね、その方が何かと便利なんですよ」

　まあとにかく探偵も色々と大変ってことか。

「それはともかくだ、霧響、初音に・・・っていうか誰にも天銀が女性だって言うなよ？」

「なぜですか？」

「もし天銀が女性だってバレたら俺が色々と危ういんだ！頼むこの通りだ！」

　俺はそう言いながら霧響に対して手を合わせた。すると霧響はそれの返事とでも言わんばかりに・・・

｀チュッ｀

「・・・え？」

　霧響になんの前ぶりもなく左頬にキスをされた。

「わかりました、そのことは黙秘しておきますね♪」

　霧響は上機嫌になって家の中に入っていった。

「・・・・・・」

　今しれっと普通にキスされた・・・嘘だろ！？え！？頬とはいえあんな軽くキスなんてできるものなのか？

「最王子君と妹さんはそう言う関係───」

「違う！変な誤解をするのはやめろ！」

　全く、事が落ち着いたら霧響のことを叱ることにしよう。・・・とか言いつつ、いざ霧響を目の前にするとあの虚な目がフラッシュバックして何も言えなくなるんだろうな・・・情けない。なにはともあれ、こうして3人の秘密ができた。