第249話初音の激しい勘違い

「はあ、はあ・・・」


「えっ、そーくん?その格好・・・」


「は、初音!し、静かに!」


 俺は俺のことを燃やそうとしている霧響から隠れるにはやっぱり何かと自分の自由にできる自分の部屋が最適だと思って自分の部屋にきたが、まさかそこに初音がいるとは・・・


「・・・あっ!わかったよ!そーくん」


「わかってくれたか・・・」


 さすが初音だな、と感心していると初音は上着を脱いで薄着一枚となり、なぜか仰向けでベッドに寝っ転がった。


「・・・いいよ❤︎」


「いや、何が?」


 本当に何がだ、何をしてるんだ初音は。


「えっ、だから、その・・・するんでしょ?」


「・・・は?何を?」


「だから・・・もうっ!私に言わせたいのっ!?そーくんにそんな趣味があったなんてっ!」


 いや、俺は今本当になんの話をしているかすらわからないんだ。数学とかで公式も答えもわからないみたいな状況なんだ。


「だから、その・・・」


 そうなぜか照れながら言う初音はスカートを脱ぎ始めた。


「は、はあ!?何してるんだ!?」


「じゃ、邪魔でしょ?」


「だからなんの?」


「こ、子作りの・・・///」


「・・・は?」


 子作り?なんでそんな話になってるんだ?今の一連の会話に一言も子作りなんて単語出てないし、そもそも────


「俺は子作りなんてする気ないんだけど・・・」


「・・・え?」


 今度は初音が困惑しきった顔になっている。立場が逆転したな。


「そもそもなんでいきなりそんなことになってるんだ?」


 本当にどこがどうなったらそんな話に直結したのかがわからない。


「そーくんそんなタオル一枚の姿でしょ?」


「ま、まあ・・・」


「それで静かにって言ったから霧響ちゃんに聞こえないように子作りするのかと思ったんだけど、違うの?」


 そんな感じで言われると違うなんていいづらいけどここは言わないといけないな。


「違う、俺はただ霧響から隠れたかったから静かにしてほしかっただけだ」


「ふーん、そう・・・」


 そういうと初音はその寝転がったまま動かなくなった。


「な、何してるんだ?俺にそんな気は───」


「なくても、もしかしたらやっぱりしたいってなるかもしれないでしょ?」


 なるわけないだろ、大体なんで高校生で子供を産む気満々なのか意味がわからない。せめて大人になってからだ・・・


「お兄様!追い詰めましたよ!!」


「げっ・・・」


「他は全て回りましたがいませんでした、降伏してください!今すぐその下のタオルを燃やす・・・のは免除して差し上げますので私に渡してください!」


 俺は燃えるのも嫌だけど下半身を霧響に晒すのも嫌なんだ!そこだけ免除されても俺からしたら何の意味もない!


「ああ、もうっ!」


`バタン`


 霧響が力技で扉を開けた。


「お兄様!追い詰めま───白雪さん?」


 こ、これは・・・別の意味でまずい状況かもしれない。

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