第210話霧響の挑発
「き、霧響ちゃん?それは例え将来的に姉になるとしても───」
「いえいえ、別に私は胸が小さいことを咎めたりするつもりなんてないのですが、お兄様もやっぱり年頃の男性なわけですし大きい胸の方が良いと思うのです」
「それはー・・・」
あの白雪さんが言葉を失っている。おそらく自分でも気にしていたことを私に疲れて戸惑っている、と言ったことでしょう。ですが逆に白雪さんの女性としての欠点といえば本当にそのぐらいです。
「実際お兄様が読んでいる本の女性も胸が大きい方が多いようでした」
私が八つ裂きにしましたが。全く、お兄様は私に隠れてあんなものを買っていたと知った時は本当にショックでした。なにがライトノベルですか、私というものがありながら・・・本当はあんな物の話などしたくないですがここは有効活用しましょう。昨日の敵は今日の友です!
「そ、そーくんが胸の大きさなんかで人を推し量るわけないよ、それはそーくんのことを貶めることになるよ?」
なっ・・・!
「・・・・・・」
いえいえいえ。ここで白雪さんのペースに呑まれてしまっては二の舞になってしまいます。ここは少し専門的な話も織り交ぜてみましょう。
「ですが、男性は本能的に女性の胸を見るものと聞きますが?そして見るならやはり豊満な方が目にも癒しを与えると思うのですが?」
「そ、そんなことないんじゃないかな?人それぞれじゃない?」
「いいえ、そんなことあるらしいです、私にはよくわかりませんが大きい胸と小さい胸のどちらが良いかというデータで7割以上の方が大きい方が良いとこの子でした」
「そ、そーくんはそんな烏合の衆とは違うから多分小さい方が良いと思う、よ?」
明らかに白雪さんが動揺してる。もしかしたら本当にこのまま────
「二人ともなにを言い争ってるんだ?」
お兄様!!!!!タイミングが悪いですよ!!!!!
「べ、別に言い争っているわけでは──」
「そーくん!大きい胸と小さい胸どっちが好き?」
「・・・え?」
お兄様は戸惑っています。いきなりそんなことを聞かれたら多分誰でも戸惑ってしまうと思います。
「そんなこといきなり言われてもお兄様だって──」
「そーくんに直接聞いた方が早いでしょ?烏合の統計なんてどうでもいいよ」
「そ、それはそうですが・・・」
こ、この流れはまずいかもしれません。
「ね、そーくん?」
「えっ、いや、状況がよくわかってないんだけど・・・」
「いいから、大きい胸と小さい胸、どっちが好き?」
白雪さんはお兄様に改めて問い詰めました。
「・・・・・・」
まあでも私としてもその答えは気になるところではあるので静かに答えを待ちましょう。
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