第209話霧響の分析力
まさか本当に両親に電話をかけて婚約を申し出ようとしていたなんて・・・
「困った方ですね・・・」
でもそんな思想を持っているからなのかはわかりませんが、やっぱり全般的に優秀。料理もできて聞くところによると頭もいいそうですし、顔だって整っていますし────
「はあ、なんでよりにもよってあんな方がお兄様のことを・・・」
そもそもなにがどうなったらちょっと平均より顔が良くて成績も平均ぐらいのお兄様とあんな方が恋人になんてなってしまったんでしょう・・・まあ私的にはお兄様は平均より上なんていうところではなく顔も性格も何もかもが最高峰なのですけど・・・あくまでも周りの評価としてはそのぐらいのはず。それがどうやってお兄様の`本当の魅力`に気づいたのでしょう・・・
「私があの方に優っているところなんてあるのでしょうか・・・」
顔は世間的に見れば多分同じぐらいですね・・・性格はお兄様の好みにもよりますが少しは勝てるかもしれません。優秀さで言えば若干負けているかもしれません。でも、一番の問題はそういうものでは無くて・・・
「お兄様の妹フィルターを早く取り除かなくては・・・」
お兄様のなかで妹と恋愛なんてありえないと言ったものが`先入観`としてさようしてしまっているためそもそも恋愛対象にすらなっていないんです。なのでそもそもお兄様の中で私は白雪さんと勝負できるほどの土俵にすら立てていません。
「ではやはりお兄様から崩すよりも白雪さんから崩した方が早い・・・」
でもそうするには白雪さんに私が絶対的に優っていることで揺さぶりをかけるしかないのですがそんなものなんて────
「・・・あっ」
ありましたっ!白雪さんが気にしているのかは知りませんが女性なら誰でも気にするところで私は白雪さんに勝てています!でも・・・
「そんなところでしか勝てていないなんて・・・」
それは少し悲しいことですが止むを得ません。
「白雪さんを揺さぶってみせます」
私は白雪さんがいるであろうリビングに向かった。リビングを覗いてみると案の定料理をしている白雪さんがいました。そろそろお昼の時間だからお昼ご飯を作っているのでしょう。ですがそれも本来なら私の役目・・・絶対に譲りません!
「白雪さん」
「ん?霧響ちゃん?」
「白雪さんはやっぱりお兄様には見合わないです」
「はいはい、まあ将来的に兄弟になるんだし妹をあやすのも姉の────」
「白雪さんって`胸`小さいですよね」
「っ・・・!」
反応あり、いけますね。
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