第193話ちょい甘は激辛
玄関に入った矢先のこと。
「そーくん最近ちょっと私が甘くしてるからって調子乗ってるよね?」
「いや、別に調子に乗ってなんか──」
「でもあの女がそーくんにちょっかいかけてきてる時なんかはもっと私の近くにいてくれたよね?」
あの女って、結愛のことか?まあ確かにあの時は初音の近くを離れないように、って言うかできる限り初音に浮気を疑われないようにしてたけど・・・
「それは浮気を疑われたくなかったからで、霧響となら兄弟だしそんなに関係ないかなって思って・・・」
「そう、そこっ!」
「え?」
「今までは私もかなり甘くしてたけどこれからはちょい甘ぐらいにするからね」
なんだ、ちょい甘ぐらいならまあ大丈夫かな──
「ゴールデンウィーク中は私と1M離れるの禁止私以外の女と話すの禁止、私以外の女を見るの禁止、まあ霧響ちゃんなら一会話5分なら許してあげる、まあ私優しいしそれぐらいかな」
「えーっと、ごめん、もう一回いいか?」
「えー、だから、ゴールデンウィーク中は────」
「そうじゃなくてっ!ちょい甘なんだよな?」
「うん」
「・・・・・・」
いや、そんな「何言ってるの?普通じゃないの?」みたいな顔で言われても困るんだけど・・・嘘だろ?これでちょい甘?これがカレーなら激辛レベルだろ。
「もちろんそれでいいよね?」
初音の確認はほとんど答えなんていうものはない。いや、決められた答えしかない。どうせ俺がここで嫌がったりしたら初音は怒りまくることだろう。
「も、もちろん、それでいいけど・・・1Mぐらいは離れても良くないか?」
「へえ、こんな状況でもまだ私に反抗する気概があるの?」
「は、反抗っていうか・・・ただの話し合いだろ?」
「だから、話し合いなんてする余地ないんだって、本当に手足削ぎ落とされたいの?まあ、それならそれでいいんだけど一度はそーくんに抱かれた──」
「へ、変なことを言おうとするな、わかった、わかったよ、その条件で飲むからもう変なことは言わないでくれ」
「最初からそうやって私に従順にしておけばいいんだって」
表には出してないけど初音はだいぶ怒ってるな。今下手に反抗したりしたら冗談抜きで手足がなくなるかもしれない。あんな激辛でも手足がなくなるよりかは全然ましだと思う。
「じゃあ、さっそく・・・」
そういうと初音は懐から手錠を出して初音の左手首と俺の右手首を手錠で繋いだ。
「嘘だろ!?手錠で繋ぐのか!?」
「何驚いてるの?犬にリードをするのと同じだよ」
くっ・・・本当に怒ってるな。普段は俺のことを犬扱いしたりはしないのに・・・これは気が進まないけどご機嫌取りをするしかないか・・・
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