第187話幸先の悪い朝

 ゴールデンウィーク3日目、まだ3日しか経ってないのか・・・色々ありすぎだろ。っていうか高校二年になってから色々ありすぎなんだよ・・・


「色々なことがあったなあ・・・」


 俺は思い出す。青春の日々を・・・青春の・・・日、日々・・・


「ふざけんなー!!」


「はあっ、はあっ」


 夢か、冗談じゃない。何が`青春の日々`だ。浮気を疑われたり殺されかけたり記憶消されたりが青春なわけがない!ただの危ないやつだろ!


「はあ、今日は確か霧響と買い物か・・・」


 しかも霧響の下着を・・・いっそ逃げたい気分でもあるけどもし承諾しなかったら婚約とか言ってたし・・・


「行くしかないか・・・」


 そしていざ俺が支度を済ませて部屋の外に出ようとした瞬間に俺の部屋の扉が開いて、初音が俺の部屋に入ってきた。


「ど、どうしたんだ?」


「どうしたって、買い物行くんでしょ?」


「えっ、なんで知ってるんだ?」


「そんなことより、早く行こ、霧響ちゃんも玄関で待ってたよ?」


「・・・え?」


 嘘だろ、この流れって、まさか・・・


「もちろん私もついて行くからね?昨日約束したでしょ?」


「そ、それはそうだけど・・・き、霧響もいるし・・・」


「霧響ちゃんもそーくんと婚約したい願望があるなら一応見とかなきゃいけいない、それにそんなの関係なく昨日出かける時は私と一緒って約束したでしょ?」


 それはそうだけど・・・初音はどこに行くか知っているのかわからないな。


「初音はどこに行くか知ってるのか?」


「知らないよ?」


「・・・・・・」


 知らないんだったら絶対に一緒に行ったら霧響と浮気したとか意味のわからないことを言われそうだな・・・ここはなんとしても初音を留守番させておきたい。


「き、昨日宅配を頼んで今日届くから受け取って欲しいんだ、だから悪いんだけど今日だけ留守番してくれないか?」


「・・・わかった」


 と、思いのほかあっさりと承諾してくれた。あの初音がまさかここまで素直に留守番してくれるとは・・・まあ宅配が来なかったことについては帰ってからでも謝ればいいか。俺はそう心に決めてから玄関に行った。すると──


「お兄様!遅いですよっ!何してたんですか!」


「ああ、いや、ちょっと支度を・・・」


「えっ!?支度って、まさか私のために!?」


 私のためにっていうか・・・出かけるんだったら色々と準備しないといけないに決まってるだろ・・・


「とりあえず早く`買い物`に行こう」


「何を買いに行くんでしたっけ?」


「忘れたならそのまま行かなくてもいいんだけどな・・・」


「ごめんなさい、嘘ですよ、う、そっ!」


「はあ・・・」


 本当に何が悲しくて妹の下着を妹と買いにいかないといけないんだ・・・

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