第165話寝る場所会議
家の中に入って、まず俺たちは三人でリビングに入った。霧響が重大な話があると言って俺と初音を呼び止めたからだ。それにしても勘弁して欲しいな、重大な話ってなんだ?まあ、とりあえず座るか。俺と初音はとりあえずリビングにある椅子に座った。すると霧響も椅子に座った。俺たちは今三角の位置関係だ。
「家族会議みたいだね❤︎」
「まだ家族じゃないけどな」
「まだってことは────」
「あー!もううるさいうるさい!それより霧響、重大な話っていうのはなんだ?」
危なかった、また初音にペースを崩されるところだったな。
「はい、今日の寝る場所についてです」
「・・・寝る、場所?」
なんだ、重大なことってそんなレベルか、ほっとした。あ、でも女の子からしたら重大だったりするのか?まあよかった、これなら厄介なことはなさそうだな。最悪の場合俺が床で寝て争いを避ければいいし。
「はい、寝る場所をどうするかなんですよ・・・」
・・・ん?
「寝る場所って、この家には普通にベッドが三つと一応布団も何個かあるだろ?」
「そういう問題ではなくて、寝る位置です」
「・・・位置?」
ますます話についていけてない感じがする。霧響は何が言いたいんだ?
「はい、もうちょっと正確に言うと誰がお兄様の隣で寝るか、です」
「・・・は?」
それそんなに重要なことか?映画館の席が重要っていうのはなんとなくわかるけど寝る時なんて意識ないんし別に寝る位置なんてどうでもいい──なんてことをいうとまた怒られるのはわかってるから言わない。俺だって学習するんだ、ここは何も言わないのが正解だ。
「なんですか?その「は?」というのは」
「あ、いや、そ、そういえば決めてなかったなーって思って・・・」
「そういえばということでしたら「は?」なんていうことにならないと思うのですが・・・」
なんでその一言でこんなに問い詰められてるんだ?
「私今の「は?」で傷ついてしまいました、女の子はそういう何気ない一言で傷つく生き物なんです・・・」
嘘つけ!何が何気ない一言で傷つく生き物だ、俺なんてついさっき殺されかけてるんだぞ!?「は?」の一言で傷つくぐらいなら俺のことを殺そうとするな!
「・・・・・・」
心の中では言いたい放題言えても口には出せない自分自身が憎い。
「謝ってください」
「え?」
「あっ、今の「え?」でも傷つきました、謝ってください」
なんだ、何かおかしい。明らかに今までの霧響と違う。どうしよう、とりあえず謝るか?でもとりあえず謝るっていうのはこういう人たちにはやっちゃいけないんだけど・・・今は仕方ないか。
「ご、ごめん」
「ごめんと思うのであれば行動で示してください」
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