第139話初音の部屋潜入作戦
「・・・・・・」
そろそろ気になって仕方ない。あと少しで5月に突入するところまで来たけど本当にそろそろ気になってきた。
「初音の部屋・・・」
もちろん女子高生の部屋に興味があるなんてそんな変態的な理由で気になってるんじゃない。俺の部屋には初音はガンガン入ってくる癖に俺は一度たりとも初音の部屋に入ったことはない。それは理不尽というかなんというか、なんでそんなに俺を部屋に入らせたくないのかが気になる。
「よし・・・」
今は初音が一週間に一度の買い出しに行ってるから今のうちになんとかして初音の部屋に入ろう。初音は俺を監視しておくために極力家の外に出ないようにしている。つまり、これは一週間に一度しかできないこと。
「なんとしても成功させるぞ!」
俺は初音の部屋の前まで移動し、初音の部屋のドアノブに手をかけた。が・・・
`ガチャガチャ`
「・・・・・・」
鍵が閉まっている。が、このぐらいは俺だって想定内だ。俺は鍵穴の中に細い鉄のフォライバー的なものを入れてピッキング的なことをしようと思う。ピッキングなんてしたことはないけど適当にやってれば開くだろう。
そして俺が10分ほど苦戦していると、ようやく・・・
`ガチャ`
「開いた!」
俺は今度こそ鍵を開けたことを確信し、ドアを開けた。が・・・
「な、なんだこれ!?」
ドアを開けた先にはさらに鋼鉄製のドアが出てきた。
「に、二重扉!?」
しかもこの二つ目の扉はなんかだいぶテクノロジーが使われてそうで、指紋認証と網膜認証が必要らしい。
「なんでここまでしてるんだ?」
ここまでして隠したい何かがやっぱりこの中にはあるってことなんだろうけど・・・
「これはさすがに開けられそうにないな」
さすがにカメラをここにおいて部屋の中を録画するなんていうことはできないし・・・ああ!くっ、あと少しで初音の部屋に潜入できそうだったのに。本当に何があるんだ?
俺は大人しく扉を閉めて自分の部屋に戻った。そしてしばらくして初音が帰ってきた。そして初音が買ってきたものを整理したあと、おそらく自分の部屋に入った。が、そこで俺は初音に呼び出されることとなった。
「そーくん?」
「ど、どうしたんだ?」
「ここの鍵開けた?」
「な、何言ってるんだよ、俺は初音の部屋の鍵なんて持ってないから開けられるわけないだろ?」
「ドライバーとかつかっったら開けられるんじゃない?アイスピッキングとか」
「い、いや、考えすぎだって、初音が鍵をかけ忘れただけだろ?」
「ふーん・・・じゃあこれは何?」
と、初音はものすごく透明な警察とかが科学捜査で使いそうなものを取り出した。その透明なものには指紋がついている。
「そ、それは・・・?」
「ドアノブにくっつけたらそーくんの指紋が取れたんだけど?」
「いや、誰の指紋かなんて分からないだろ?」
「わかるよ?そーくんの指紋の形なんて目を瞑ってても描けるもん」
「・・・あ、ああ、前にちょっと部屋を間違えた時の指紋かも──」
「私毎日ドアノブ調べてるけどそーくんの指紋はついさっき確認するまでドアノブについてなかったよ?」
「うっ・・・」
まさか指紋にまで目をつけられてしまうなんて・・・
「そーくん、謝るなら今のうちだよ?」
「・・・ごめんなさい」
俺はそのあと散々謝らせられた。ついでに説教もされた。
「でもなんで私の部屋に入ろうとしたの?」
「だって、一回もみたことなかったから、ちょっと気になって」
「ああ、そうなんだ・・・でもごめんね?この部屋は見せてあげられないんだー」
「そ、そうか・・・」
俺はゴールデンウィーク前にちょっとした望みを打ち砕かれてしまった。
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