第127話結愛との再開

「ゆ、結愛!?」




 そう、後ろからひょこっと姿を現したのは紛れもなく結愛そのものだった。なんか2日前普通に結愛と一緒にいたのに久しぶりに会った感じがするのはなんでだろう。まあ、この2日間色々あったし多分そのせいだな。




「ほらそーちゃん!そんな女といてもそーちゃんが不幸になるだけだから、早く私のところに来て!」




「お前──」




「はいはい、私に怖気付いて逃げた中途半端な泥棒猫には用無いからどっか行っててくれる?」




 と、結愛は煽るような口調で言う。




「逃げたって、何が?」




 と、初音は冷静に切り返す。




「何がって、私とあなたじゃどっちがそーちゃんに相応しいかなんて目に見えてるからあなたはそーくんと一緒に昨日学校を休んでそーくんが私のところに行かないようにしたんでしょ?」




「確かに行かないようにはしたけどそれはそーくんがお前のところに行くからとかじゃなくて不純物を目に入れたくなかっただけ、それともお前はわざわざ不純物を目に入れたい変態なの?じゃあそーくんはそんな変態とは付き合えないからどっか行っててもらえる?」




「そんな長文で喋っちゃって、そんなに私に負けるのが悔しいの?」




「物事を勝ちか負けかでしか判断ができないなんて・・・義務教育の半分も受けてないんじゃない?」




 と、またしても口論状態に入っている。このままだと俺の方にまで矛先が向いてきそうなのでさっさとこの場から立ち去りたいところではあるんだけど初音がさっきから俺の手首を掴んで離さない。しかも結愛との会話が白熱していくにつれ力がどんどん強まっている気がする・・・




「とにかくそーくんは私のだから、それ以外に言いたいことなんてないからどっか行ってもらえる?」




「なんでそんなに私をすぐにどこかに行かそうとするの?余裕がないの?それとも私と向き合ったらそーちゃんが私のところに来ちゃうから?」




「そんなこと──」




 と、俺が抗議しようとした時──




「そんなわけないでしょ何言ってるの?って言うかそんなことになるぐらいならそーくんを殺して私も死ぬかお前を殺してそーくんと私だけの楽園を築くかのどっちかだけだよ、だからお前のところにそーくんが行くなんてことは絶対にあり得ないしそもそも考えることすら不可能だよ、って言うか──」




 と、そこから初音は投稿時間なんて言うものを完全に忘れて結愛の人格否定などをしていった。それを聞貸されている結愛の表情は泣いたりはしていないけどかなり驚いたような顔をしている。って言うか俺はむしろ怖すぎてここで仮にトイレを漏らしたとしても誰も文句が言えないレベルに怖いと思う。


 そう、今の初音は過去一怖い。そろそろ結愛に対するストレスが限界点に達してしまったらしい・・・


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