第119話浮気を認めた?
「・・・えっ」
う、浮気?なんでいきなりそんな話に?
「何とボケてるの?さっき浮気したって認めたよね?」
「…え?」
ーついさっきー
「こんなこと言ってるけどそーくんは私以外と性的なことをしたらだめだよ?」
「うん」
「何その適当な感じ、ちゃんと聞いてるの?もしかして、浮気してるの?」
「うん」
ー現在ー
「って言ってたでしょ?」
おいおい、嘘だろ?こんなことになるならちゃんと話を聞いておけばよかった…
「ま、待て!誤解だ!こ、これを見ろ!実は耳栓をしてて──」
「は?私がせっかく私たち二人の未来のためにそーくんに教えてあげてたのになんで耳栓なんかしてるの?っていうか例え耳栓をしてたとしても恋人同士で浮気したことを認めるなんて1番ダメなことだって分かってる?」
「ご、ごめんなさい…」
「ごめんなさいで許されることだと思ってるの?もしかしていつも適当に謝ってるの?」
「いや、そ、そんなんじゃないけど…」
「そんなんじゃないって何?そんなんでしょ?適当に謝ってその場凌ぎでいけるとでも思ってるの?」
「だからそんなんじゃないって…」
ま、まずい。適当に話を聞き逃したこととかそれでなくても浮気を認めてしまったこととか、色々なことが積み重なって今はかなり疑心暗鬼な状態にあるらしい。でもだからと言って今謝ると色々とややこしくなりそう…っていうか今はそんなふうにとりあえず謝るなんていうことはしないほうがいい。ならここは──
「何度言えば良いんだっ!俺は耳栓をしてたから聞こえてなかったんだって!今も見てただろ!?」
「は?何それ、逆ギレ?そもそもそーくんが耳栓なんてせずにちゃんと私の話を聞いてればよかった話なんじゃないの?」
「よくよく考えてみろ…好きな彼女の性的な話なんて熱心に聞いてるほうがおかしいだろ?」
「す、好きな彼、女…?」
と、少しの間初音は考えるとここでまたも驚きを隠せないような発言をする。
「そうだね、うん、ごめん、そうだよね、私が悪かったよ…好きな彼女なんだもんね…」
と、なんか俺の言いたいこととは全く違うところで納得してくれたみたいだ。
「……」
言いたいことはたまには言うべきだな。だが、もしそのタイミングを間違えたら俺は一瞬で死ぬことになる。全く、なんでここはアニメでも漫画の世界でもないのに俺はこんなデスゲームまがいのことをやらされているんだ。これが第三者視点なら絶対に面白いとは思うけど…
「はあ、本当に久しぶりにラノベが読みたい…」
という儚い願望を残して俺はしばらく隣で惚けている初音を見ながら黙っておくことにした。
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