第117話総明は暇
「・・・・・・」
かなり前から初音が自分の部屋から出てこない。もしかして寝てたりするのか?それとも俺の信頼度を確かめるためのあれなのか?俺が初音がいなくても約束を破るかどうかを見極めるために・・・
「なら、ここは静かにしておこう」
と、思ったんだけど思ったよりも暇だ。前にラノベは初音によって捨てられたからすることといえばゲームしかないんだけど・・・今この状況で仮にオンラインゲームといえど他の人と関わるのはさすがにまずいか?もしオンラインでチームになった人が女性だったりしたらそれこそもしかしたら今監視カメラで俺のことを監視しているかもしれない初音に何を言われるか分からない。
「何をしよう・・・」
あっ、そういえばあとちょっとで定期試験があるんだった。そのための勉強でもしようかな。今年は4月に入ってからろくに勉強できてない。・・・まあ、普段もそんなに勉強してるってわけじゃないんだけど。そして俺はカバンから教科書やノートを取り出したんだけど、そこであることを思い出した。
「そういえば、この初音のいたずら、ずっとこのままだったのか・・・」
ノートに書かれた過去に初音が書いた文字だ。こんなノートで勉強なんてしようとしてもモチベーションが上がらない。ノートでも買いに行くか?
「・・・・・・」
いや、だめだ。家の外に出たら初音に何をされるか分かったもんじゃない。でもそれぐらいしかやることがないのも事実だ。なら、初音に許可を取ってから外に行こう。それなら怒られないはずだ。
そして俺は初音の部屋に向かいコンコンとノックをした。
「初音、ちょっと買い出しに行ってもいいか?」
「・・・買い出し?」
と、部屋の中から初音の声が聞こえた。やっぱり寝ていたわけじゃないみたいだ。まあ、あの初音に限ってこんな昼間から昼寝なんてしないと思うけど・・・
「ああ、前に初音が俺のノートに落書き、って言うかなんか変なこと書いてただろ?あれじゃ勉強する気になれなくって・・・」
「変なことって何?私たちの将来を書いただけなんだけど」
「ああ、いや、まあ、それはそうとして、勉強用具に書くものでもないだろ?」
「・・・まあ、そうかもね」
おっ!分かってくれたみたいだ。
「だから新しいノートを買いに──」
「じゃあ私の部屋にノートの替えが何冊かあるからそれ使って勉強して?あと勉強するなら私も見てあげるから」
「そ、そうか?た、助かる」
初音は頭がいいのでそういうのは非常に助かるんだけど・・・さっきのこともあるから若干気まずいな。
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