第102話初音との決別

「だからっ!そんなそーちゃんを助けるために私はずっと言ってるんだよ?」




「俺を・・・助ける?」




 そういえば結愛は最初から助けるとか言ってたけど、もしかして最初から俺が初音に依存してしまっていたことに気付いてたのか?でも、もし本当にそうだとしたら・・・




「最低だ・・・」




 初音にあんなに恋じゃなくて依存だなんて言ってたのに俺が依存してたなんて。相当なクズだ。




「大丈夫、どんな最低なそーちゃんでも‘私が‘受け止めてあげるから」




 そう言うと、結愛は俺のことを‘優しく‘抱きしめてくれた。




「そーちゃん、じゃあ私の家行こ?」




「で、でもーー」




「このままじゃ‘白雪さん‘にも迷惑かけるってまだわからないの?これも‘白雪さん‘のためなんだよ?」




「は。初音の・・・?」




「だって、このままじゃそーちゃんが白雪さんに依存してお互い本当の恋愛ができないまま一生を添い遂げることになるんだよ?そんなのお互いのためにならないよ」




「・・・・・・」




 確かにそうかもしれない。このまま俺が初音に依存しても初音に迷惑をかけるだけだ。その証拠にいつも恋愛的なエスコートをするのは初音からだったし、家事とかも全部初音がやってる。




「・・・そうだな、よし、わかった」




 俺は結愛の提案を受けることにした。




「じゃあ私が準備してあげるからそーちゃんは先に出てて」




「いやっ、さすがにそれはーー」




「出てて」




「・・・わかった」




 俺は結愛の雰囲気に気圧され先に家を出ることにした。




ー結愛partー




「・・・・・・」




「ふふっ・・・」




「ふふふふふふふふふっ!」




 遂に、ようやく、そーちゃんを堕とすことができた。本人は依存だと思い込んだみたいだけど、そーちゃんのあれは認めたく無いけど間違いなく‘恋‘だった。でも、今はもうどんなこともあの虫が関わっていたら依存心だとしか感じられないはず・・・


 私は部屋に仕込まれていた隠しカメラ的なものに向けて言った。




「じゃあね♪そーちゃんは私のだから、返してもらうねー、あっ、人のものは盗んだらいけないよ?じゃねー♪」




 私はそう言い残すと、そーちゃんの部屋のクローゼットからそーちゃんの着替えを取り、学校に必要な最低限な者だけ持つと、すぐに‘私を‘待ってくれているそーちゃんがいる家の前に向かった。


 それにしても・・・




「‘白雪さん‘だって、吐き気がする・・・」




ー初音partー




「ただいまー、遅くなってごめんね!そーくん!」




「・・・・・・」




「・・・・・・?」




 様子がおかしい。そーくんはまだ帰ってないのかな?


 私は一応調べるために私の部屋に入り、監視カメラの映像を1時間ほど前に戻してみることにした。




「あっ、なんだそーくんちゃんと帰ってたんだ」




 そのままそーくんの動向を追うとインターホンが鳴り、そーくんが扉を開けた。すると、そこに立っていたのはーー




『そーちゃんっ!』




「・・・は?」




 私は思わず監視カメラの映像を止めた。な、なんでこいつがこの家に・・・?しかも1時間前に?




「・・・・・・」




 私は‘嫌な予感‘がしたけど、それでも再生ボタンを押した。


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