第97話総明の塩対応vs結愛の執着

 学校に登校し、自分の教室に入ったらなぜか俺たちよりも早く結愛がいて、俺の席に座っている。俺の机を胸置きにしながら・・・




「あれ、やばくね?」




「最王子君の席だよね?なんで桃雫さんが?」




「やっぱ巨乳だなあ・・・」




 なんて言う風にクラスのみんなが話している。俺も一瞬その色香に惑わされそうになったけど隣の初音の表情を見たらそんな邪な考えは塵のように消え去っていった。




「そーくん、周りの猿みたいな考え起こしたらダメだよ?」




「わ、わかってるって」




 いつもより言葉に棘があるな。これは結愛に対する嫌悪からなのか、それとも周りの奴らに対する侮蔑なのか、もしくは自分の胸を気にしてーーこれ以上は考えない方が良いけど、とりあえず何かしらの理由で初音がいつもより殺気立っているのは確かだな。


 そして俺は結愛が座っている俺の席に向かった。




「そこ俺の席だからどいてくれないか?」




「えー、無理ー♥」




「・・・な、なんで?」




「だって、そーちゃんが私のこと無視するんだもーん」




「だからって、迷惑をかけるのは違うだろ?」




「迷惑?本当は嬉しいくせにー♥」




「・・・・・・」




 何を言っても無駄だと思い、俺は結愛の椅子を引いてやることにした。それで無理やりにでも椅子から降ろさせるという学生がよくやる技だ。




「うわっ・・・危なーい、もう、好きな子いじめはやめてよー♥」




「・・・っ!」




 ダメだ、精神的にも物理的にも結愛は俺の席から離れるつもりはないらしい。俺は仕方ないのでHRが始まるのを待つことにした。そして時間が経ちーー




「はーい、みんなーHRを始めまーす、自分の席に着いてくださーい」




 と、七海先生による掛け声がかかった。




「あーあ、せっかくそーちゃんが私の‘おかげ‘で困ってたのになー、仕方ないかー♥」




 そういうと、結愛は自分の席へと戻っていった。




「・・・はあ」




 俺はため息をついた。まだ朝も始まったばかりなのにこんなに疲れることになるなんて・・・今日一日持つのか?




「大丈夫?そーくん、あの女のしつこさは本当にゴキブリ並みだね・・・ほんと、どっちが無視なんだろうね・・・」




「は、はは・・・」




 それに関しては初音も相当だったけど、そんなことを言ったら怒られそうなのでやめておくことにした。 


 そして一限目の授業が始まった。そして一限目の授業が終わり休み時間が来た。




「そーちゃーー」




「そーくん、生徒会の仕事あるから早く行くよ」




「あ、ああ・・・」




 俺たちは逃げるようにして生徒会室に向かうことにした。


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