第95話結愛対策
結愛をどうするか、初音に相談しようとも考えたけどもし今結愛の名前を出したら浮気を疑われるのか?それともまた一人で悩みこんだら「なんで私に相談してくれなかったの?」とかって言われて怒られたりするのか?
「・・・わからない!」
何が正解なんだ。乙女心は難しいとかいうけど初音のは乙女心なんて可愛いもんじゃない。何心なんだ・・・もし何か名称があるなら教えてほしい。ネットで検索して対処法を調べるから。
「・・・はあ」
どうするどうする、こうしているうちにも時間は過ぎていく。
「・・・あっ」
そういえば、この部屋には100個近い発信機とか盗聴器があるとか師匠が言ってたな。っていうことはもしかしたら今も初音が俺のことを見ているかもしれない。なら・・・
「あー、結愛がいると思うと明日も大変そうだなー、どうやって対策しよう」
と、俺がわざとらしく言うと、すぐに俺の部屋の扉が開かれーー
「そうだよねっ!そーくん!私も同じこと考えてたっ!!」
と、初音がさっきまでの空気間とは一風変わった感じで俺の部屋に入って来た。
「そ、そうだな・・・」
ふふ、物は使いようだな。まあ、我ほどの使い手になれば敵の仕掛けた罠でも狡猾に利用するなど造作もないこと・・・かっこつけたくなってかっこつけてみたけど想像以上に気持ち悪いからやめておこう。
「まあ、とにかく結愛をどう退けるかなんだが、俺に考えがある」
「んー?なになにー?」
「俺が結愛に物凄く冷たい態度をとり続ける、もちろん俺がこっそり浮気をしないかどうかわからないだろうから監視してもらっても構わない」
「・・・そんなことがそーくんにできるの?」
・・・え?
「そのぐらい簡単だって、ほら、前にも初音にしただろ?今度はあの時よりもさらに冷たくするから絶対に大丈夫だ!これで結愛は俺には構ってこなくなるはずだ」
「・・・まあ、珍しく自信ありげなそーくんも可愛いし、うんっ、いいよ、わかった」
「ありがとう」
そして俺は初音を納得させることに成功した。・・・よし、この方法なら初音に浮気を疑われることもなく結愛とも自然に疎遠になれる。まさに完璧の策だ。
ー結愛partー
「明日から学校楽しみだなあ・・・」
そーちゃんは照れ屋さんだから今日はあんなに冷たい態度をとってきたけどそれって逆に愛の裏返しってやつだもんね。私だってたまに恥ずかしくて素直になれないときもあるし、きっとそーちゃんも一緒だよね。
「そう、私とそーちゃんは一緒・・・」
やっと見つけた、だからもう逃がさない。絶対に・・・
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