第90話俺の部屋に監視カメラ!?
『呼ばれたから出てきてあげたよー、開けてー』
「えっ、えっ・・・」
いや・・・は?最近は非日常にも慣れてきたつもりだったけどさすがにこれはおかしい。どんな手品を使ったらそんなことができるんだ?
『何戸惑ったふりしてんのー?呼んだのは総明でしょ?この浮気者っ!」
「あー、はいはい、じゃあとりあえず開けるから」
『はーい』
俺が師匠のもしこの場に初音がいたら冗談じゃすまないような冗談を適当に流してすぐに玄関の扉を開けた。
「こんばんにゃ!」
「・・・ああ」
なんか前もそんな事挨拶してた気がするけど一瞬可愛いと思ってしまいそうになるからやめてほしい。
「今ドキッとした?」
「するわけないだろっ!」
そういうと、俺は自分の部屋に戻り、その後ろに師匠もついてきた。そして部屋入ると師匠は俺の部屋の扉を閉め、俺に正座をするように促した。師匠はというと俺の部屋の椅子を俺の目の前に持ってきて足を組んだ。・・・こういうところはほんとに兄弟だな。
「で、なんで私のこと呼んだの?」
「いや、まずそれなんだけどなんで俺の声が師匠に聞こえてるんだ?」
「なんでって、えっ、気づいてなかったの?」
そういうと、師匠は小さい方に掛けるタイプのバッグからノートパソコンを取り出した。すると、何やらどこかの部屋の間取り図を取り出して、師匠がエンターキーを押すとその間取りの至る所に無数の光が現れた。
「・・・これ、俺の部屋か?」
「うん、そうだよ、で、この光ってるのが発信機とか盗聴器とかジャミング対策の音声認識レコーダーとか、あっ、もちろん信号帯域内にノイズが入ったりするとあれだからノイズキャンセラーとかもーーーー」
「待て待て待て待て、何の話をしてるんだ?お、俺の部屋に、発信機と盗聴器となんちゃらレコーダーと・・・?しんごうたいノイズ・・・?」
何語なんだ・・・
「ああ、ごめん、じゃあ簡潔に言うと、お姉ちゃんがこの部屋に100個近い発信機の類があって私もそれに紛れ込ませて一つだけ仕掛けておいたってこと」
「う、嘘だろ?」
「だから驚いたんだよねー、総明がこんなにいろいろあるのに全く気付いてないことに」
「・・・・・・」
100個?しかもずっと仕掛けられてたのか?全く気付かなかった・・・
「っていうかじゃあ、今も初音に見られてるのか?」
「見られてるーーはずだけどもし見られてたらお姉ちゃんならすぐに飛んでくると思うんだけど、何かあったのかなー?」
「何かあった・・・?」
まさかさっきのことで怒ってたりするのか?
「・・・・・・」
考えるだけでも怖いから俺はそのことについて考えるのはやめ
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