第49話将来を誓い合った女の子
そして、彩音による電話で一時を脱したけど、これからどうしよう。とりあえず、あの二人の様子を少し見てみようかなあ・・・まあ、案外俺がいなかったら二人で仲良く談笑してたりしてーー
「君何なの?私のそーくんとどういう関係?」
「そっちこそ何?っていうかさっきから私のとかってなんなの?」
はい、女の子ワールドが繰り広げられてるな。こうなってしまったのなら、俺にできることは棒あんすることだけだ。ここで俺が不用意に出て言ったりしたらそれこそ火に油を注ぐだけのこと。だからここはじっと息を潜めよう・・・
「ああ、日本人の人じゃなかった?ごめんね?それなら仕方ないねー」
「いや、そうじゃなくて、私のっていう意味が分からないんだって、あなた大丈夫?」
初音と月愛の会話に似ている気がする。
「はあ、もういいからとりあえずその紙返してくれる?それはそーくんが私のために用意してくれたものだから」
「はあ!?何言ってんの!?これは私が作ったものなんだけど!?」
「・・・・・・は?」
・・・・・・は?私が作ったものってどういうことだ?あれは確かに俺の持っていたアルバムに挟まっていたものだ。それをあの女の子が作ったものなはずがない。あのメモ用紙だって手作り感満載だったし。
「何も知らないみたいだから教えてあげるけど、あれは私とそーちゃんが小学生の時に将来を誓い合ったときに書いた言葉なの、その証拠に、ほら」
そう言いながらその女の子は初音にメモ用紙の文面を見せた。・・・っていうか今なんて言った?小学生の時に将来を誓い合った・・・?俺がこの女の子と?何かの間違いだろ、俺の小学生時代にこんな可愛い女の子の知り合いがいるわけ・・・
「あ・・・」
ま、まさか、あのずっと隣にいた女の子・・・?一瞬どこかで見たことあると思ったけど昔に、会っていたのか・・・まあ、それなら顔が変わっていてもおかしくはないな。
いやいや!そんなことより将来を誓い合ったってなんなんだ!子供の冗談じゃないのか?
「なに、これ・・・」
「これは私とそーちゃんが昔将来を誓い合った証なの、だから、あなたの付け入るスキなんてないの、そうと分かったらーーーー」
「そーくん!」
「ひっ!」
どうやら俺が近くで盗み見ていたことがばれていたらしく、初音が血相を変えてこっちに向かってくる。
「は、初音ーー」
「どういうこと!?将来を誓い合ったって!!」
「いや、俺もそんな昔のこと覚えてないって、っていうかさっき告白したばかりなんだから昔がどうであれ俺が今好きなのは初音だけ、そうだろ?」
「・・・そうだね、ごめんね」
と、初音が分かってくれた。・・・心なしか物分かりがよくなった気がする。告白をしたことによって少しでも浮気されるという不安が薄まったのかな・・・だとしたらよりを戻して正解だったな。何度も言うけど初音は嫉妬さえなければ完璧美少女なんだ。
「あっ、そーちゃん!」
と、少し離れた場所にいた女の子がこっちに近づいてきた。
「そーちゃん!私のこと思い出した?」
「うーん、まあ、アルバムにいた女の子っていうことぐらいは・・・」
「えー、それだけなのー?なんでそれだけーーまあ、そうよね、うん、仕方ないわね・・・」
と、何かを言いかけた瞬間にまた言い直した。・・・さっきもあったけど何なんだこれは。
「じゃあ、さっそくだけど、結婚しーー結婚してあげてもいいよ?」
「・・・は!?」
と、隣に初音がいるのに爆弾発言をされてしまった・・・
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