第48話昔の知り合いらしい女の子
「あれ?そーくん今なんかポケットから出て行ったよ?まあ、今はそんなことどうでもいいか!それよりーー」
「いや、一応あれを取りに行こう、あれは今日、初音に答えを出すために用意したお守りなんだ」
「わ、私のために、そーくんが?///そ、それは絶対に取らないとね!」
と、納得してくれた初音は俺の後ろに走って来た。そして、俺はそのメモ用紙を取ってくれた女の子に声をかけーーようとしたが今告白したばかりでそんなことをしたら初音に申し訳が立たないので、初音に話しかけてもらうことにした。
「初音、頼む」
「うん!そーくん、私嬉しいよ!そーくんの浮気癖が治って!!」
そういうと、初音は満面の笑みでその女の子に話しかけた。そう、初音は嫉妬さえなければ本当に完璧美少女なんだ。だから、その面を受け入れないと。今までは初音の悪いところしか見てなかった、本当に自分が馬鹿みたいだ。
「すいません、その紙彼のなんで、返してくれますかー?」
初音が言うと、女の子も驚いたような顔で返事をする。
「彼・・・?」
そういうと、その女の子は俺の方を見てきた。・・・?なんで?
「え、え!?もしかして、そーちゃん!?」
「え?」
そういうと、その女の子は俺の方へと駆け寄って来た。
「えーっと、誰ですか?」
「え、お、覚えてないの?悲しいーーじゃなくて、ふん、覚えてなくて当然よ、もう何年も前だし」
今一瞬悲しいとか言わなかったか?まあ、そんなことより何年も前ってなんだ?
「えーっと、その何年も前っていうのはーー」
「そーくん?」
「はいっ!ごめんなさい!!」
俺は初音がかなり怒っていることに今更気づき、すぐさま初音のもとに駆け寄り頭を下げた。
「もう、今は気分がいいから許すけど、いつもだったら監禁だからね?」
「・・・はい、本当にごめんなさい」
あ、危なかった・・・あと少し遅かったら俺はゲームオーバーになっていただろう。っていうかあの子はなんなんだ?俺の知り合いにあんな胸の大きいーーじゃなくて、あんなスタイルが良い人はいなかったはずだ。顔も見たことーー
「・・・ん?」
なんだ、どこかで見たような・・・それもつい最近。・・・いや、でもなんか違うな。
「え?そーちゃん、その子誰?」
そういうと、その女の子が俺に質問をしてきた。っていうかなんで俺の名前を知ってるんだ?
「あ、あの人違いじゃーー」
「‘私の‘そーくんに言葉を聞いてもらうなんてあなた何様のつもり?」
「は、はあ?私のって、っていうかそーちゃん私のこと本当に覚えてないの?」
「いや、覚えてないのって言われても・・・な、名前は?」
「え?何?そーくん、告白した瞬間に浮気なの?ねえ、浮気なの?」
「いや、そうじゃなくて、名前を聞かないことにはーー」
「告白?そーちゃん告白って何?」
「いや、だからーー」
だめだ、収拾がつかない。さっきまでいい感じだったのに、一体どこで道を踏み外してしまったんだ?っていうかまずこの状況どうすればいいんだ?誰か助け船をーー!?
「ご、ごめん!ちょっと電話来たから一瞬外す!!」
と、言うと俺は二人から距離を取った。ナイスタイミングだ、電話。俺は感謝の念を込めながら電話に出た。
「はい」
「総明危なかったねー、大丈夫?」
「・・・師匠!?」
なんと、その電話の相手は師匠だった。
「ど、どうやって、俺の電話番号を・・・」
「ああ、ハッキングして調べたーーって言ったら問題になりそうだからー、えーっと、たまたま総明の家に置いてあったメモ用紙に電話番号書いてたから電話しただけー」
絶対に嘘だ!っていうかハッキングなんてできるのか?師匠は。だとしたらだいぶ天才じゃないか。でも初音の妹だからという理由で納得できてしまう自分がつらい。
「まあ、そんなことより、あれ大丈夫なの?」
「あれって・・・もしかしてどこかから見てるのか?」
「うん、ばっちり見てるよー」
「は?どこからーー」
「そんなに私のこと知りたいのー?この変態!」
・・・やりづらい。師匠はこういう軽いノリでも確実にこっちが何も返せないようなことを言ってくる。喋り方はこんなふざけてるけど、絶対頭は理系なんだろうなあ・・・
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