陰陽学園の鬼 ~強くて愛が激しい美少女たちを助けたら全員から迫られてラブラブになったオレ。そして運命の契りで鬼神の根源を取り込み十二天将を従える王になる物語~
第201話 世界征服か、エチエチ生活か?
第201話 世界征服か、エチエチ生活か?
朝から春近は呼び出されることになった。春近の祖父であり陰陽庁長官の土御門晴雪が来訪したのだ。
ふらつく足を引きずって学園の応接室まで向かう。
「何故、このタイミングで……」
春近が眠そうに目を擦る。
熱い一夜……いや、とびきりキツいお仕置きを三人の女子からされるという、ちょいMな男子にはご褒美な夜を過ごした春近はヘロヘロだ。
「ハル~眠いよ~っ」
「もうムリ……」
「ん…………っ」
その攻め攻めな女子三人、ルリ、咲、渚があくびをする。
「誰のせいだよ」
何故か三人が付いて来ているのだが、そもそも寝不足になった原因は三人が本当に朝までハッスルしてしまったからなのだ。
最初は数時間もしたら寝るだろうと春近も思っていたが、この三人が競い合うように盛り上がってしまい、結局朝までじっくりたっぷりイジクリ回されてしまった。
夜の内はハイテンションで攻めまくってい彼女らも、夜が明けると疲れた出たのかヘロヘロになってしまい、渚に至っては半分寝ているのか無口になっている。
「もう、フラフラだ……くっころ展開の女騎士の気持ちが解った気分だよ……」
「何? くっころって?」
「あっ、ルリは知らなくて良いんだよ」
春近の呟きにルリが食い付くが、下手にヘンタイ系知識を教えると実戦しそうなので黙っていた。
しかし、予想外のところから解説が入ってしまう。
「気高い女騎士が敵の捕虜になって、エッチで恥ずかしいコトをいっぱいされそうになった時に、『もう好きにしろ!』とか『殺せ!』とかなるシチュエーションね」
突然、眠るように静かだった渚が、くっころについて語りだす。
「なっ、渚様! 何で知ってるんですか!?」
「黒百合が言ってたわよ」
渚が即答した。
「くっ、
案の定、ルリが興味を示してしまった。
「それ面白そう! ハルぅ、今度やってみよっ♡」
「い、いや、それは……あれは女騎士やお姫様にやることだから、ルリがされちゃうんだよ。いいの?」
「良いよっ!」
やる気満々のルリに、春近は少し考える。
ルリ――
エッチな好奇心が旺盛過ぎるぞ。
でも、ルリや渚様にそんなことをすると、後で何倍にもなって返ってきそうで怖いんだよな……
「やっぱりダメ」
「ええぇぇーっ! じゃあ、咲ちゃんにしてみようよ」
ルリが咲に『くっころプレイ』を振ってしまう。
「お、おいっ、何でアタシなんだよ! ダメに決まってんだろ」
くっころの矛先が突然自分に向いて、咲が顔を赤くして反論する。
寝不足でフラフラなはずなのに元気なようだ。
「うーん、咲にくっころ展開か……」
ルリの時には及び腰だったのに、相手が咲だと言わせてみたいとか思ってしまう春近だ。
さ、咲が『くっ、ころせぇ♡』だとっ!
うん! うんうん、良いかも!
普段は強気でちょっとSっぽいけど、実はけっこう純情で恥ずかしがり屋な咲を……
「ふふっ、ふふふっ――――」
「おい、何ニヤニヤして見てんだよ。ま、まさか……アタシで想像してんのか?」
「ギクッ!」
「そ……そういうのは、二人っきりの時にしろよ……それなら……(ゴニョゴニョ)」
「えっ、それって……?」
「な、何でもねえよ! もう、この話はおしまい」
咲……それ、二人っきりの時ならしても良いってことなのか?
ごくりっ!
ついつい、咲のくっころシーンを想像してしまった。
イケナイ妄想をしながら四人は応接室へと向かった。
学園の応接室に入ると、既に晴雪がソファーに座り待っていた。
何やら神妙な顔をしている。
晴雪としては、鬼神王誕生によりパニックになっている陰陽庁の一任を受け、春近と話をして
いくら自分の孫とはいえ、鬼神たちの王となった春近に不確定要素が多く緊張感の中にいた。
神妙な顔をする晴雪に、春近は眠そうな顔で声をかける。
「じいちゃん」
「おお、春近よ……その後、体の方は良いのか?」
「いや、それが凄く疲れて寝不足で……」
春近が、晴雪と向かい合うソファーに座ると、右隣に渚がもたれ掛るように座って、そのまま春近の膝の上までずり落ちて静かな寝息を立てて眠ってしまう。
咲が左隣に座ると、ルリは座らずに春近の後ろから覆いかぶさって、巨乳を春近の頭の上に乗せた。
緊張している晴雪に対して、全く緊張感の無い四人である。
晴雪は鬼になったことへの体調を聞いたのだが、春近は何を勘違いしたのか一晩中エッチなお仕置きをされた件で寝不足で疲れていると答えてしまった。
「その、なんじゃ……前より凄いことになっておるの……」
「ジジイ、何しに来たの? こっちは毎晩エッチに忙しいんだから邪魔しないでよね」
晴雪の言葉にルリが得意げに返答する。
もう、エッチを自慢するかの如くだ。
「ちょまっ、ルリ、その理由はちょっと……」
「ちょっとルリ! ハルの身内の前で何言ってんだよ。は、恥ずかしいだろ」
春近と咲が恥ずかしさのあまり顔を手で隠した。
「ま、まあ、元気そうでなによりじゃ」
晴雪が眉をピクピクさせる。
「そうだ、思い出した! あの蘆屋
今までエッチな事ばかりだったルリが至極当然の発言をする。
確かに、陰陽庁が追っていたテロリストを捕まえた上に、蘆屋道満の霊体を成仏させて危険性の除去に成功したのだ。
お礼があって然るべきだろう。
そのお礼が寿司や焼肉というのは、成し遂げた功績に対して安すぎる気もするが。
「も、勿論じゃ。嬢ちゃんたちには感謝しておるぞ。ご馳走しよう」
「やったー! 焼肉だぁ!」
焼肉で喜ぶ彼女(ルリ)だった。
「そ、そういえば、じいちゃん。蘆屋満彦はどうなったんだ?」
春近が気になっていたことを質問する。
「彼は直近の記憶を失っておるようでな。クーデターの時の記憶は薄っすらと覚えておるようじゃが、精神は蘆屋道満に乗っ取られていたという話じゃ。今は完全に危険性が無くなったようなので、その内に実の親の元に帰されると思うがの」
「そうか……」
アイツには色々と思うところがあるけど、精神を乗っ取られていたのなら仕方がないことなのだろう。
もう、襲ってくる心配も無いだろうから、これで良かったんだよな……
「それで、じいちゃんは何しに来たんだよ? まさか焼肉を奢りに来たわけじゃないだろ?」
「いや、じゃから……鬼神王になった春近の様子を見に来たのじゃが……」
「ん?」
「春近よ、早まったことをするんじゃないぞ。世界征服なぞ……」
「えっ、何のこと……あっ、そ、そうだった」
春近は、あの時に鬼神王の恐怖を煽ってしまったことを思い出した。
そんな些末な記憶は一晩中続いたエチエチ攻めにより、すっかり忘却の彼方へと送ったきりになっていたのだ。
しまった――
そういう設定だったのをすっかり忘れていた。
あの大津とかいうオッサンにムカついて、もうちょっかい出して来ないように脅しておいたんだった。
まさか、じいちゃんまで信じていたのか……
「いやいや、世界征服とか面倒くさいことなんかしないから安心してよ。世界征服って、それ美味しいのって感じだよ。こっちは静かに平和な暮らしができれば満足なんだから」
「おおおっ、それを聞いて安心した。やはり春近は、鬼になっても春近のままじゃったわ」
晴雪は春近の話を聞いて安堵している。
まさか本当に世界征服などするとは思っていなかっただろうが、世界を征服できるだけの力を手に入れてしまえば、誰しも自分の欲望を絶大な力で叶えようとしてしまうものなのだから。
「そうだ、じいちゃん。ちょっと注文があるのだけど」
「何じゃ?」
「緑ヶ島に移住してからなんだけど、安心して暮らせるようにお金の援助とか、あと移動の自由も補償して欲しいんだ。たまには旅行もしたいだろ」
「おう、任せておけ。その辺はちゃんと考慮するからの」
晴雪の心配は解消され、陰陽庁へと戻って行った。
後は適当に庁内を説得してくれるだろう。
もうこれで面倒なちょっかいを出して来なければ良いのだが。
「良いの? 世界征服」
静かに眠っていたはずの渚が目を開けて、春近の顔を覗き込んで見つめる。
「やらないよ。面倒だし」
「そう、春近がやるって言えば、あたしが手伝ってあげても良かったのに」
渚の鋭い目が不敵に笑っているように見える。
人々の精神を乗っ取り絶対服従させる力を持つ渚が協力すれば、確かに世界征服も夢ではないかもしれない。
そうすればきっと……この世の富も権力も全てを手に入れることも可能だろう。
だが――――
「オレにそんなのは似合わないだろ。権力なんて持ったって、人から恨まれるだけでろくでもないよ。オレは皆と一緒に楽しく暮らせれば満足なんだよ」
春近は静かに答えた。
「ふふっ、それでこそ春近よね。まあ……春近は富や権力より、エッチな生活の方が似合ってるわよ」
「えええっ、エッチなのはどっちだよ、渚様ぁ」
「うふふふっ♡」
そこにルリと咲が加わる。
「ちょっと、渚ちゃんだけズルい。私もぉ♡」
「ほら、アタシも混ぜろよな♡」
皆で笑い合う。
世界最強の力を手に入れた新世界の王は、世界を支配し富や権力を手に入れることよりも、可愛い彼女たちとエチエチ生活をするのを選んだのだった。
元々、平凡で優しくて少しヘタレだった男は、何者に負けない強い力を手に入れても中身は何も変わってはいなかった。
ただ、そのエチエチ生活は、愛に飢えた彼女たちから一斉に攻められる恐ろしいものだとは気付いていないのだが。
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