第4話 名付け
ステータスウィンドウを開いて、その中にNEWマークの付いているハウジングの部分を押す。するとずらりとこのハウスの状態がウィンドウ一杯に表示された。
そう言えば、今までは新しい機能が出てもNEWマークはついていなかった気がする。スキルとかレシピには付いていたけど、アプデで付くようになったのかな。
{ハウス情報
ハウス名称:未設定(未設定の場合は、『プレイヤーNAME』のハウス、と表示されます)
RANK:7
ハウスRANKアップ条件:ギルドRank:B以上(所属ギルド問わず)
リクサルト木材・0/1200個
グローウッド木材・0/2500個
ドレス石材・0/2000個
クラレス鉱石・0/300個
コメット光輝石・0/3個
1600000000AS
ハウス内状態 :最良
ハウス内設備 :料理:RANK2
裁縫:RANK4
鍛冶:RANK1
細工:RANK3
調合:※未確認
錬金:※未確認
サンルーム状態:最良
ハウス外状態 :最良
ハウス外施設 :ガーデンエリアRANK5
畑エリアRANK1
ハウス内倉庫 :0/400※
特記 :地階あり
家付き妖精あり:※名称未設定
※調合設備は新しい所有者が直接確認しない限り表示されません
※錬金設備は新しい所有者が直接確認しない限り表示されません
※ハウス内倉庫の拡張が可能です
※家付き妖精は名称を設定しなければ本来の機能を発揮しません }
結構項目があるね。
ハウスの名称については未設定でも問題はないみたい? あ、でも未設定の場合は、『プレイヤーNAME』のハウスって表示されるみたいだからNAMEバレしたくなかったら適当に設定しておいた方がいいのか。
さすがにNAMEをそのまま出したくはないので、早めに何か適当なものを考えておかなければ。
それでハウスのランクは7か。これっていうのはどれくらいすごいのか、比較ができないからわからないね。ただ、次の項目を見ると少なくとも現段階で手に入れるのは難しそうなのはわかる。
ランクアップ……ハウス強化の条件も載っているけど、ギルドランクはともかくどの素材も見たことどころか聞いたこともない。さらに必要なASもあり得ない額になっている。0が8だから16億AS、1.6Gってどれだけ時間をかければ貯まるのだろうか。今まで多くても一桁Mだったから、相当時間がかかりそうだ。
まあ、素材がどこにあるか見当がつかないからASが貯まったところで、ランクアップはできないけど。
あとは、生産設備。裁縫と鍛冶、細工のやつはあの部屋にあったから知っていたけど、やっぱり他にもあったようだ。
調合と錬金。この2つはこれまでに確認した部屋にはなかったから、この部屋の隣か、まだ一切見ていない地下にあるのかな。錬金の設備は地下というか暗いところにあるイメージが強いからありそうだけど。
木工だけないけど、とりあえず、錬金の生産設備があるのは本当にうれしい。他の設備もそうだけど、これで一々ギルドに行って部屋を借りなくて済むようになったわけだ。
サンルームはガラス張りのあそこで、ハウス外のガーデンエリアはハウスの前に見えている庭のことだよね。畑は見えなかったけど、ここにはあるって載っているしハウスの裏側にある感じなのかな。
後は倉庫の拡張が……うん? 家付き妖精の所にも※印が付いているけど……あ、この家付き妖精ってNAMEを付けないといけないのか。どうしよう。
たぶんこのハウスを使う限りずっと関わることになるのだろうから変なNAMEは付けない方が良い。でも、そもそもその辺りセンスがないのだよね。
育成系のゲームでもほぼデフォルトの名前のままだし、こういうのって本当に得意ではないのだ。兄は毎回個別で名前を付けているけど、あれはどういう感じで名前を付けているのだろうか。
「前は何て…呼ばれていた?」
まあ最も手っ取り早くて安牌なのは、もともと付けられていたNAMEをそのまま使うこと。そうすればセンスも何もないから失敗は無いと思うのだよね。
「前です? ルビー…なのです」
この子の瞳が紅いから前に住んでいた人はそれにちなんでルビーにしたのかな? 別に変なNAMEでもないし、見た目にもあっているからそのままでもいいよね。この子も前の人に思い入れがあるのはわかっているから、嫌ではないだろうし。
「それじゃあ、貴方のNAMEはルビーで」
「です?」
あっさり名付けられたからか、それもと元のNAMEをそのままつけられたからなのか、驚いた様子でルビーは私のことを見ている。
「何か……問題でも?」
「ない…のです。でも、いいのです?」
プレイヤーの好きなように変えられるという、もともとついていたNAMEから変えることが前提のシステムだから、今回みたいに前のNAMEをそのまま付け直されるのは妖精からしたら想定していないことなのかもしれない。
「問題ない」
「そうですか。ありがとうございますです」
このルビーのありがとうはNAMEを付けてもらったことに対してなのか、それとも元のNAMEをそのまま付けたことに対してだろうか。
そんなことを考えながらふと見たルビーの顔はとてもうれしそうな表情をしていたので後者だったのだろう。やっぱり思い入れがあったようだ。
逃げの理由で名付けたとはいえ、喜んでくれると少しうれしい。
ハウス情報の確認も済んだので現実の時間を確認した後そのウィンドウを閉じる。時間もまだ余裕だし、この後は後回しにしていた隣の部屋と地階の確認をしていこうかな。それに錬金と調合の設備は地下にあるみたいだし、そっちも早く確認したいところ。
「どこに行くです?」
私が部屋の外に出ようとしたことに気づいたルビーがそう問いかけてくる。
そういえばルビーはどういう風に扱えばいいのだろうか。ハウスキーパー的な存在だと思うけれど、何か指示を出さないといけないのかな。それとも勝手にやってくれる?
「じゃあ私が案内するです!」
「え?」
別のことを考えていたせいで反応が遅れ、止めるよりも先にルビーは部屋の外に出て行ってしまった。
行く場所はわかっているので先導は必要なかったのだけど、嬉しそうに部屋を出ていったルビーの様子的に、新しくこのハウスの所有者になった私の手伝いがしたいのかもしれない。
「早く来るですー」
部屋を出るとルビーが螺旋階段の前で早く来るようこちらに手を振っていた。
できれば隣の部屋の確認もしておきたかったのだけど、あれを放って確認しに行くのは気が引けるしかわいそうな気がしたので、嬉々として先導しようとしているルビーのあとについて下の階に向かった。
―――――
総合ギルドの生産設備室に置かれている生産設備は総じてRANK:1です
なお…(次回の内容に接触するので省略)
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