第2話 初めての相談者
気軽に掲げた看板に反応者がいるとは思ってもいなかった。
初めて暖簾を潜ったのは、中学3年生の男の子だった。
「好きな人が出来ました。
僕は電車通学です。
僕が乗る電車の区間内で、乗り降りする
高校生の年上の女の子を好きになりまし
た。面識はありません。
どうしたら、どうしたら、
両想いになれるでしょうか?」
思わず、同年期の自分を思い出していた。
読んで、ドキドキしていた。
人の悩みは、気が重くのしかかり沈むもんだと思っていたが、初めて受けた悩みを目にして、受けた感情は高揚していた。
一瞬にして、恋をしていた。
制服を着て、駅を利用して、電車で。
好きな子が遠くからこちらに歩いてくる。
互いの距離が縮む時をカウントダウンする。
5、4、3、2、、、彼女の香りが、僕の隣を霞める。。。
いつの間にか、学生時代の自分を手繰り寄せ想像していた。
イケナイ。妄想を暴走させている場合ではない。
相談者に返す言葉。。。
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