#04 下絵
…――次は手順の其の三。
うむっ。
今、並べた必要なファクトを並べた順に使い絵を描く。
絵を描くとはイラストを描く手順と同じらしい。まず下書きをして線画を描く。線画の次は基本となる色を置く。色を置いたら影をつける。影をつけ終えたら最後は仕上げだ。無論、これらは文章を書く仕事をする僕だからこその方法だと聞いた。
文章を書く事とイラストを描く事は同じく創作だから。
と……。
無論、絵を描く事自体が上手い下手に拘わらず、文章を書く事にも通ずるものが在ると判断したからだろう。少なくとも文系で文章を書く事が得意な相手(僕)に、できるだけ分かりやすく手順を伝えるという意味では、この上ない例えとなる。
まあ、できれば文章を書くとして欲しかったわけだが、
それでは推理という物が上手く表せられないんだろう。
あのフーをもってしても。
ただし、
僕も文章書きの端くれだから、なんとなくだが分かる。
並び変えたファクトを使い、絵を描くという作業はな。
さてっ、
じゃぁ、
とにかく絵をを描こうか。
ただし、
いくらか羅列の手順と被る部分もあるが、そこは確認の意味も込めてで、ご容赦。
まずは推理の下地ともなる下書き。ワポンRに在った安全ピンとルミノール反応だろうか。無論、安全ピンの意味を深く考える必要ない。血液反応に関しても同じ事が言える。大雑把に外枠を捉えるよう考えればいい。なにせ下書きなのだから。
そう思ってから安全ピンかと思いを巡らせる。うむむ。
あの現場でのフーたちの振る舞いを思い出すと……、安全ピンはパチンコ玉と同じような立ち位置に在るものではないのか。つまりトリックになくてはならないが、死には直接関係していないとだ。いの一番にハウが見つけたというのも怪しい。
うむっ。トリック解明担当のハウがだな。
無論、もっと深く考察できるが飽くまで下書きに過ぎないと気持ちを切り変える。
多分、これ以上、奥底へと突っ込めば僕の思考など絡んで立ちゆかなくなるから。
今は、まだだと割り切る。
兎に角。
次はルミノール反応だな。
奈緒子が最後に乗っていたワポンRから血液反応が一切出なかったという事は、つまり、少なくとも車中で彼女が殺されたわけではない。無論、車周りからも出なかったから車で轢き殺されたわけでもない。うむっ。こんなところか。下絵はな。
飽くまで、大雑把に大枠を捉えるとは、こんな感じでいいんだろう。
多分な。
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