第172話お説教

私は子供達と狩りをして、カーラちゃんの才能とチェスターくんが技を使える様になっていたことに驚いた。

 

「とりあえずウルフは倒すことができたわね、カーラちゃんとチェスターくんは見直したわ、チェスターくんは最初少しぎこちなかったけど技を発動出来ていたのは凄かったわ。

 カーラちゃんも一度見た収束を見事に使って見せてくれたわ」


私は二人を手を叩き褒める、二人は照れたように顔を赤くしていた。


「えー俺は?俺だって頑張ったのに」


私が二人を誉めているとアントニーくんは頬を膨れさせ聞いてきた。

 そんなアントニーくんの頭を撫でながら答える。


「アントニーくんはまだ実戦になれてないわね、戦闘中に隙を作るなんてまだまだよ、そんなんだと今度連れてってあげられないかもしれないわよ?」


私はアントニーくんに少し意地悪を言った。

 するとアントニーくんは私の手を取り振り回しながら。


「次来る時も絶対連れて来てくれよな!留守番なんてやだからな!」


アントニーくんは必死な顔で私の腕を振り回す、そんなアントニーくんに微笑みながら。


「え~どうしようかな~」と言う。


その言葉を聞いてアントニーくんはさらに必死な顔になり。


「連れてきてくれなかったら、エイミーみたいに勝手に付いて来るからな」


アントニーくんは頬を膨らましながら私の腕を離して腕組みをしてそっぽを向いてしまった。

 勝手に付いて来るのは不味いわね、もし何かあった時には困るもの。

 それに勝手に町の外に出て何かあったら後悔してもしきれない!


「分かったわ、ちゃんと連れて来るから余り無茶はしないでね」


私が折れて約束するとアントニーくんはガッツポーズをして喜んでいた。

 

ウルフを倒した私達は敵を探して森を歩く、トラットの南の森にはそんなに強い魔物はいないらしい、多いのはゴブリンで狩っても狩っても湧いてくる。

 でも放置するとゴブリン達が巣を作ってスタンピードが起きるから、定期的に狩らないとひどい事になる。

 だからゴブリン討伐の依頼は無くなることが無い、けど素材が手に入らないゴブリンは人気が無いのよね。


その次に多いのはホーンラビット。

 ホーンラビットは町の西の畑で農作物を食べてしまうため、こっちも討伐依頼が常駐している。

 ホーンラビットはゴブリン並みに繁殖力が強いらしい、まるでネズミの様に増えて狩っても湧いてくる。

 あれ兎って齧歯類だから増えるのも早いのかな?

 ホーンラビットの困るところはゴブリンみたいに向かってこない所なのよね、こっちが狩ろうとして近づくと逃げてっちゃう、向かって来てくれれば狩るのも早いんだけど。


魔物を探している間、私は考え事をしていた。

 南の森で一番強いウルフが倒せるから多分ゴブリンが出てきても大丈夫のはず、でも索敵も練習したいから歩きながらキャトルーを抱き上げて話をしよう。

 私がキャトルーを抱き上げたからエイミーちゃんが私のことを見上げて不思議そうに首を傾げている。


「キャトルー次敵が接近して来ても教えないで上げて」


私が小声でキャトルーに声を掛ける、するとキャトルーは首を捻り聞いてきた。


「なんでにゃ?魔物が近いてきたら危ないにゃ、早く教えて迎え撃つか、逃げるか決めないといけないにゃ」


「キャトルーの言う事はもっともなんだけど、キャトルーがいない時困るからなんだけど、キャトルーがいないと気付けないじゃ困るでしょ?」


私が説明するとキャトルーは「なるほどにゃ~」と答えて納得してくれたみたい。

 私がキャトルーを下ろすとキャトルーはエイミーちゃんの横に行き並んで歩き始めた。


少し歩くと私の(探査)に集団で動く反応を感じる、少し遅れてキャトルーの耳が音に反応してかクルクルを動き出した。

 反応は5匹、動きは余り早く無いからゴブリンで間違いないと思う。

 でも私はあえて皆には伝えずに進んで行く、少し行くと右前方の茂みがガサガサと動き出す。


「なんだ?なにかいるのか?」


アントニーくんが茂みが動いていることに気付いて立ち止まり剣を抜く、それに合わせてチェスターくんが槍を構え、カーラちゃんが杖を突きだした。

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