第133話ゆ、誘導尋問ですか?
私達が話し合いをしていると、会議室の扉が叩かれる。
その音に反応したローマンさんが「入りなさい」と返事をする。
ローマンさんの声が聞こえたのか、扉が開き男性係員が、手に紙とペンの乗ったトレーを持って入って来た。
男性係員は私の近くに来ると、トレーに乗っていた紙とペンを私の前に置き、男性職員は会議室を出て行ってしまう。
私は置かれた紙を見ると、店舗開設許可書と書いてあった。
内容を読んでいくと、内容は詐欺などの犯罪行為をした場合、以降は店舗を持つことを禁止され罰金が課せられるらしい。
主には犯罪行為に加担した場合の罰金などが多かったけど、最後に店舗の開設者は一月に一度店舗開設料として、1000ローン支払わなければいけないらしい。
そっか、店舗開設にもお金がいるのね、確かにそうよね、儲かって無い店舗をずっと置いとく土地も、無限にあるわけじゃ無いものね。
私は一通り読み終わって、ラナちゃんに店舗開設許可書を渡した。
ラナちゃんは全部読み終わるまで待ち、ラナちゃんが用紙を返してくれたので、私は自分の名前を書いてラナちゃんにペンと一緒に渡した。
「え?私も書くんですか?」
ラナちゃんは不思議そうにそう言うので、私は頷きながら。
「私がずっと露店に居ることができないと思うから、料理をするラナちゃんが代表になるわ」
私が理由を話すと、ラナちゃんは不安そうに眉を寄せてしまった。
そんなラナちゃんに私は。
「別に、一人で露店をしなきゃならないわけじゃ無いから安心して、貴方には心強い仲間がいるんだもの」
私が優しく励ます、するとラナちゃんは思い出したように頷き、用紙に名前を記入した。
私達の様子を見ていたローマンさんが、話が纏まったと考えて話しかけてきた。
「どうせ店をやるのなら、露店では無く店舗を持ってはどうじゃ?」
ローマンさんの言葉にコラさんとジャクソンさんも頷き、コラさんが付け加えてきた。
「店舗を出せば月々の店舗開設料はいりませんよ、それに料理一品ごとの値段も上げられる」
コラさんの言葉に、私は悩んでしまった。
確かに今の露店では500ローンが限界だけど、ちゃんとしたお店を持てれば、もっと高くもできると思う。
でもそんな高いお店庶民の人はこれ無くなってしまわないかしら?
私がそんなことを考えていると、ローマンさんが私の顔色を呼んだのか話し始めた。
「店舗だからと言って、高くしなければいけないわけじゃ無いぞい、じゃが良い食材を使いすぎて単価が高くなってしまう物もあるじゃろ?」
確かにローマンさんの言う通りだった。
私は最初にオークの肉を使おうとしたけど、単価が高くて断念したのよね。
私が悩んで言うと、ローマンさんが笑いながら。
「心当たりがあるみたいじゃの」
ローマンさんの言葉に私は頷き。
「確かにもっといい材料が使えれば、他にも作れる料理が・・・あ!」
私が考えながらそこまで言うと言葉を止めた。
ローマンさんはそんな私を見て、ニヤリと笑い。
「ほう、もっとうまいもんが作れるのか、そりゃ楽しみじゃのう」
ローマンさんの顔を見て、私は額に手を当ててしまった。
ああ、やっちゃった、これは私が他にも色々作れるって、白状したような物だわ。
私が頭を抱えて言うと、ローマンさんが。
「まあ急いでも、本人たちがやる気にならんとどうしようもないのう」
肩を竦めながらローマンさんが呟くと、コラさんが。
「そうですね、店舗を持つにしても安くても10万ローンは要りますからね、マリアさんなら払えるでしょうが、無理はいけませんね」
ローマンさんとコラさんの言葉を聞いて、私は隣のラナちゃんを見て。
「ラナちゃんが大人になる頃には、お店欲しいかもね」
私が呟くとラナちゃんはこちらを向き、嬉しそうに顔を好色させ。
「良いんですか?」
ラナちゃんは嬉しそうにしながら同時に少し戸惑っているようだった。
そんなラナちゃんの頭を優しく撫でながら。
「言いも悪いも、これから露店をやっていけばお店のお金なんて、簡単に溜まると思うわよ」
私がそう言うとローマンさん達も頷き、その様子にラナちゃんは照れたように両手を頬に当てていた。
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