第124話仕入れ
カツサンドの試食をした翌日、私とラナちゃん、カーラちゃんとチェスターくん、エイミーちゃんとキャトルーの6人で、材料の調達先を決めるために先ず、森の木陰亭にパン屋さんを紹介して貰うために向かった。
人通りの多い町中を歩くため、エイミーちゃんが逸れないように私は手を繋ぎ歩いて行く。
エイミーちゃんは久しぶりのお出かけなためか、少しウキウキと嬉しそうに手を繋いで歩いていた。
森の木陰亭に付いた私達は宿の扉を開き中に入ると、何時もと変わらずカウンターにアイナちゃんが座っていた。
「いらっしゃ、マリアおねえちゃんどうしたの?」
私が入ってきたことに気付いたアイナちゃんは、カウンターを回り込み私の所に駆け寄って来た。
近づいてきたアイナちゃんは、私と手を繋いでいるエイミーちゃんと挨拶をし合い、改めて私を見上げてきた。
「実はね、ナタリーさんに相談したいことがあって来たの」
私がここに来た理由を話すと、アイナちゃんは食堂に向かって走っていた。
「おかあさーん!マリアおねえちゃんが用事があるって!」
アイナちゃんが叫びながら食堂に走っていくので、私達は顔を見合わせてから後を追いかけた。
食堂の中に入るとまだお客さんも居て食事をしていた。
私達が食堂に入ると一瞬視線が集まるけど、直ぐに視線を戻して食事を楽しみ始めた。
アイナちゃんはナタリーさんに近づくと、私達を指さしながら。
「マリアおねえちゃんがおはなしがあるって、あたしがきゅうじするから、おかあさんはなしてきて」
アイナちゃんに促されて、ナタリーさんは私達に近づいてきて、近くのテーブルに座るように言ってきた。
「久しぶりだね、最近じゃ家のアイナが、そっちに良く遊びに行ってるみたいじゃないか、面倒掛けて無いかい?」
ナタリーさんがそんなことを言うとアイナちゃんが。
「そんなことないよ!エイミーちゃんとはおともだちなんだから!」
アイナちゃんが胸を張り自慢げにそう宣言すると、エイミーちゃんも「ん、ともだち」と頷きながら答えた。
その様子を見ていたナタリーさんは一度ため息をついて。
「仲良くしてるみたいでよかったよ」
ナタリーさんの呟きを聞いてから、私は話を切り替えた。
「今日来たのはパン屋さんと野菜の仕入先を、紹介していただけないかと思いまして」
私が今日来た理由を説明すると、ナタリーさんは一瞬キョトンとしてから。
「仕入先なんて聞いてどうするんだい?」
ナタリーさんの質問に私は微笑みながら。
「ラナちゃんが料理が得意でして、自立のために露店を出して稼いでみようと言う事になりまして。
それでですね、仕入先をどうしようか考えた所、こちらに伺ってみようと言う事になったんです」
私の話を聞いて、ナタリーさんは腕組みしながら
「なるほどね・・・いいよ、紹介してあげるよ!」
ナタリーさんはそう言うと、紙を持って来て地図を書き始めた。
「パン屋と野菜屋の場所を書いとくよ、肉は冒険者ギルドから下ろして貰ってたから、そっちは冒険者ギルドで苦笑しとくれ。
もう少し待ってくれたらアイナに案内させるから、ここでちょっとまっていなよ」
私達はナタリーさんに言われた通りに待っていると、食堂のお客さんも居なくなり、片付けを終えたアイナちゃんが、私達の待っていたテーブルに駆け寄って来た。
「じゃあ、いきましょ~」
私達に元気に声を掛けると、食堂の入り口へと歩き始めたので、私達は急いで席を立ち追いかけて行った。
私達が追いかけると、アイナちゃんは入り口で待っていて、エイミーちゃんと手を繋ぐと先を歩き始めた。
「アイナちゃん、まずどこに行くの?」
私が聞くと、アイナちゃんが顎に人差し指を当て。
「う~んとね~、リナちゃんのとこ!」
アイナちゃんは友達かな?の名前を言うと先を歩いて行ってしまうので、私達は追いかけるしかなかった。
「そのリナちゃんは何屋さんなのかな?」
私が質問すると、アイナちゃんは「パンやさん!」と答えてくれた。
そのままエイミーちゃんと手を繋いだアイナちゃんは、どんどん進んで行き、大通りから2本入った道を進
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