第119話オーク肉って高い

私はハンバーガーを出してテーブルに置くと説明を始めた。


「この料理みたいにパンに具材を挟んだ物なら器とかを用意しないでも食べれると思うわ。

 それに中の具材を変えればそれだけでまた違う料理にもなるし、出店では売りやすいと思うわよ」


私が説明するとラナちゃんはハンバーガーを手に取り、パンを開いて中を見たり両手で持って大きさを確認していた。

 ハンバーガーを観察していたラナちゃんは、一度ハンバーガーを置き私を見つめた。


「とてもいい案だと思います。

 でもパンの仕入れ先はどうしましょうそれにお肉とお野菜も・・・」


ラナちゃんは私の提案を肯定してくれて、仕入先をどうしようか悩み始めたので、私はラナちゃんに微笑みかけ。


「パンの仕入先は、森の木陰亭にパンを下ろしている、パン屋さんを紹介して貰おうの、肉は私達で狩って来ても良いし、肉屋さんから仕入れても良いわね。

 野菜も野菜屋さんから仕入れましょ」


私が提案するとチェスターくんが質問してきた。


「それだと材料費だけで大分高くなってしまいませんか?」


チェスターくんの質問にアベルとマーナも頷いていた。

 う~ん、どんなもんだろう?確かパンが1個30ローンしてたわよね。

 オーク肉が1匹分で30000ローンで、大体100キログラム位だから、豚カツ1枚が300グラムって考えると、大体33食分ぐらいかしら。

 1食909ローンだとすると野菜も合わせると、簡単に1000ローン以上しちゃうのか~。

 これはさすがに高くて買ってくれないわよね。


チェスターくんの質問に、私は簡単に計算してみたけど、確かに高くなっちゃいそうだわ。


「そうね、確かに一つ1000ローン位しちゃいそう、これじゃ売れないかしら?」


私が肩を落としながら言うと、皆落ち込んでしまった。

 少しの間落ち込んだ雰囲気が流れたが、アベルが頭を上げて。


「肉はオーク肉じゃないといけないのか?もっと安いウルフの肉じゃどうだ?」


アベルの提案を聞いて、私は直ぐ計算してみた。

 確かにオークの肉を使うより、ウルフの肉を使う方が、断然安く済みそうだった。

 

「ウルフの肉を使えば500ローン似内に納められそうね」


私はそう言いながら立ち上がり、台所で食料を取り出し始めた。

 私が料理を作り始めると、ラナちゃんが手伝いを初めてくれて、皆は自分たちのしたいことをし始めた。


「じゃあ料理が出来るまで腹ごなしに訓練するか」


アベルがそんなことを言うと、男の子たちが一緒になって外に出て行き。

 女の子たちはコテージの中で過ごすみたいだった。


私はまずウルフの肉を取り出し下味をつけて筋切りと、ウルフの肉は少し硬いので叩いて柔らかくしてから、衣をつけて揚げてみることにした。

 まず油を用意して温めていく、それにパン粉も用意して、後は下処理をしたウルフの肉にパン粉を付けて揚げていくだけだ。

 取り合えず人数分用意したら揚げて行く、ジュウッと言う良い音をさせながらウルフのカツが揚がっていく。

 カツが狐色になるまで揚がったら、しっかり油を切って出来上がり、しっかり二度上げすることも忘れない。

 出来上がった所で、葉野菜と一緒にパンに挟んで出来上がり。


出来上がった所で男の子たちを呼んで試食してみる。

ラナちゃんが手を組み祈りの言葉を唱え始めた。


「光の神ヴェインスヴァイン様に感謝を」


「「「「「感謝を」」」」」


「いただきます」


お昼食べてからまだそんなに時間たってないけど大丈夫かしら?

 私の心配をよそに皆食べ始めた。


「結構うまいじゃないか、ウルフの肉焼いただけより柔らかいしパサパサしない?」


アベルが食べながら感想を言いマーナも頷いていた。


「でも獣臭さは有りますね・・・」


ラナちゃんは一口食べては考えるようにしながら、呟いては食べていた。

 そんな皆を見ながら、私も一口食べ見た。

 食べた瞬間獣臭さが鼻についた、これはそのまま食べるのは臭い!確かにステーキにした物よりパサパサとした感じは少し薄れていた。

 これは揚げたから衣に油が絡まって、パサパサ感が無くなってるのかしら?

 この獣臭さが消せればいいのだけれど、ヨーグルト欲しいな~。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る