第107話北東の森の調査 2
川岸は木々が丁度なくなり、明るい陽射しが差し込んできていた。
川は日に照らされ、キラキラと輝き、川は透き通っていて、魚が泳ぐ姿もよく見えた。
遠くには水を飲みに来たのか、鹿の様な魔物の姿も見られて、川のせせらぎと鳥の囀りが気持ちを落ち着かせた。
川岸にたどり着いた私は、キャトルーに拾った経緯を話し始めた。
「キャトルーがいたのは、この川の岸の丁度あの辺りで倒れていたの」
私は川岸を指さしながら話すと、キャトルーは辺りを見回しながら、何かを探しているようだった。
キャトルーは一頻見回した後、落胆したように首を下げて呟いた。
「知らない所にゃ、でも山は見えるからたぶん大丈夫にゃ」
キャトルーが顔を上げ、山を眺めながら呟く声を聞き、私達も釣られてそちらを見た。
遠くには山が見えていたので、皆そちらを見つめていると、キャトルーが話し始めた。
「ボクの家はもっと山に近かったから、かなり飛ばされちゃったのにゃ」
「じょあ、もっと山に近づかないとな」
キャトルーの言葉を聞いてアベルがまとめるように締めくくった。
それから私達は川岸でお昼ご飯を済ませて、まずは山を目指して森の中を進むことになった。
相変わらず(探査)には魔物の反応が感じられた。
群れでいる物はオークかウルフと考え、先に1匹でいる魔物を確認し始めた。
(探査)で感じた気配に、見つからないように近づいて確認していく。
見つけた魔物は体長4メートルはありそうな大猪だった。
茶色い体毛をしていて、頭の上から背中を伝ってお尻迄、黒い鬣が生えていた。
猪は鼻の頭で土を掘り起こして何かを食べているようだった。
幸いこちらに気付いている様子は無かったので、私達は静かにその場を離れてから話し始めた。
「ラッシュボアもいたな、ラッシュボアはオークより肉が美味いんだよな、なんて言えばいいのか、旨味が凝縮してるって言えばいいのかな?」
「そうね、村にいた時、狩人のおじさんが狩って来たの、食べたことあるけど美味しかったな~」
アベルとマーナがそんなことをいいながら、思い出話を聞かせてくれた。
そんなに美味しいなら帰りにでも狩って見ようかしら、あの子達にも食べさせてあげたいもの。
私達はそんな話をしながら、森の中を進んでいった。
進み続けた私達は結局、今日は戦闘になる前に、隠れてやり過ごしたりして進んでいった。
まだ日が高かったけど、テントを張る場所が見当たらなかったので、私達は仕方なく水の流れる音を探して、川岸へ向かっていった。
川岸に出る頃には、日も大分傾いてきていて、森の木に光が遮られてかなり暗くなってしまっていた。
「大分暗くなって来てしまっていますね・・・」
私が空を見上げながら呟くと、アベルが返事を返してきた。
「そうだな、開けた場所探しに時間が掛かっちまった。
マリアは夕食の用意をしてくれるか?俺達でテント組むから」
アベルは言いながら、マーナとアトムくんを連れて平らな所へ移動して作業をし始めた。
私は料理を作るためにまずテーブルを取り出した。
そこにコンロと鍋、包丁とまな板などの道具を取り出し始めた。
さて、何を作ろうかしら?すぐ作れて美味しいものってなるとなかなか無いわよね?
焼きそばでも作って見ようかしら、外で食べれる料理ってなると難しいわよね。
私はメニューを決めて作り始めた。
まずは定番のスープを作り煮ている間に、焼きそばを作ってしまおうと考えた。
スープは簡単に、この前作った干し肉のスープを煮始める。
まずは麺作りから、小麦粉をこねて、ひたすらこねていく、ある程度固まった所で踏んでさらにこねる。
滑らかになったら休ませます。
今日は余り時間がないので、とりあえず30分ほど休ませたら、ある程度薄くしてからパスタマシーンの出番です。
マシーンに掛けて生地を薄くしたら、マシーンで細くしていきます。
細く切った麺を茹でて置き、肉と野菜を炒めていく、そこへ麺を入れて一緒に炒める。
後はソースを入れて絡め、塩胡椒で味を調えて完成!
パスタマシーン有ると簡単に作れて良いわね、暇なときに麺作って置いとけば何時でもラーメンが作れるわね。
私はパスタマシーンを片付けながら、そんなことを考えていた。
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