第102話露店の相談
席に付いたみんなの前にハンバーグを出した。
ハンバーグを見て皆目を輝かしていた。
ラナちゃんが手を組み祈りの言葉を唱え始めた。
「光の神ヴェインスヴァイン様に感謝を」
「「「「「感謝を」」」」」
お祈りの言葉を言うと皆食べ始めた。
アントニーくんが一口食べて声を上げた。
「これ、うまいな!なんてんだ?」
アントニーくんの質問に私は「ハンバーグですよ」と答えた。
それから、皆幸せそうな顔をして食べていた。
食べていたアベルは、ハンバーグの欠片をフォークに差し眺めながら、呟いた。
「これもそうだけど、マリアの作る料理は、どれも売り物になるレベルの物が多いと思う・・・。
料理を売れば冒険者なんてしなくても、生活できるんじゃないのか?」
アベルの疑問に、私は多分出来るんだろうなと思いながら頷いた。
私の仕草を見ていたアベルは、さらに話し始めた。
「マリアは服も作れるから、何も冒険者じゃ無くてもいいんじゃないか?」
アベルの言葉に私は考えてみた。
確かに冒険者以外でも、稼ぐ手段は有るかもしれないけど、私が冒険者をしていなかったら、アベル達とも会う事も無かったし、アトムくんとも会うことが無くて、孤児院もあのままだった。
そんなのはどうしてもヤダ!私は私の手の届くところにいる人を、見捨てたくないと思う。
「私はやっぱり冒険者でいようと思うます、その方が助けられる人が増えそうですから」
私が話しながら微笑んでいると、アベルは苦笑してそれ以上は言ってこなかった。
でも料理を提供できる店・・・は、ちょっと直ぐには手に入らないから露店とか、ラナちゃんがやりたければ用意してあげるのも良いわね。
私がそんなことを考えながらラナちゃんを見ると、目をキラキラさせながら口に拳を当てて何か考えるようにしていた。
あれ?もしかしてやる気スイッチ入っちゃった?ならやってみてもいいかもしれないわね。
私はそんなことを考えながらラナちゃんに直接聞いてみることにした。
「ラナちゃんお店・・・はちょっと用意するのは無理かもしれないけど、露店とかしてみる?」
私がラナちゃんに話しかけると、ラナちゃんはこちらを見上げてきた。
嬉しそうに「はい!」と元気よく答えた。
ラナちゃんはやる気満々ね、でも子供たちだけで商売させるのは怖いわねよね、もし言いがかりをつけてきたお客さんの対応できる人を雇わないと、冒険者ギルドでまた頼むかしら?
ジェフくんとキャサリンちゃんが、今回の依頼でうまくやってくれるようなら、護衛として考えようかしら。
後は商業ギルドで露店許可を取って、露店用の出店を作って貰わなきゃ、後は大きな鍋とか料理に必要な道具も用意して、それと他には何が必要かしら?
私が露店に必要な物を考えていて、ふと大事なことを聞き忘れていることに気が付いた。
それを聞くためにラナちゃんに抜き直り聞いてみた。
「料理を出すなら、最初は露店で商売しないといけないと思うんだけど、どんな料理を出すつもりなの?」
私がラナちゃんに聞くと、ラナちゃんは悩みだしてしまった。
変わりとばかりにアントニーくんが手を上に上げながら声を上げた。
「はい!はーい!俺肉が良いからこのハンバーグが良い!」
アントニーくんがそう言うと今度はアベルが話し出した。
「それなら俺はカレーがいいな、あれは一回食うとまた食いたくなるんだよな・・・マリア今度また作ってくれよ」
アベルは露店に出す料理の提案をして思い出したのか、カレーが食べたくなったらしく、私にカレーを作ってくれと頼んで聞いた。
「ならあたしもカレーがいい!」
アベルの話を聞いて食べたくなったのか、マーナもアベルに賛同してきた。
アベル達の提案に私は苦笑いをして却下した。
「カレーは無理だわ、カレー粉が手に入らないし、ご飯も手に入らない、私のストレージの中に入っている分を使って作るってもその内カレー粉が無くなっちゃうんじゃないかしら?」
私は説明すると、アベル達は悲しそうな顔になり「もう食べれないのか・・・」と言ってきたので。
「私達が食べる部には十分有るわよ」と答えた。
SBのカレー粉は調味料棚に登録してあるから何とか出せるんだけど、お米はストレージの中に入っている分がなくなたら、それでおしまいなのよね。
調味料棚は5個まで登録出来て、登録してある調味料は幾らでも出せるけど、調味料棚は1個しか持てないから5種類の調味料しか出せないのよね。
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