第100話説明をする

「皆私達パーティーで3日ほど、北東の森の調査しに行かなきゃいけないの、だからその間様子を見に来てくれる冒険者の子を連れてきたわ」


私が簡単に事情を説明すると、冒険者の2人は自己紹介をしてくれた。

 お互い自己紹介をし終わった所で、ジェフくんが質問してきた。


「すいません、先ほどの訓練を見た限りだと、あの二人の方が俺より強いような気がします、本当に確認必要なんですか?」


ジェフくんの質問に私は笑いながら答えた。


「必要と言うより、私が安心できるかなんだけど・・・」


私が話すと今度はアントニーくんが不満そうに言ってきた。


「マリアねえちゃん、そんな心配しなくても大丈夫んだって、俺達マリアねえちゃんがいなかった時も、問題なく暮らしてきたんだからさ」


アントニーくんの言葉を聞いて苦笑を漏らしてしまった。

 確かにその通りかもしれないけど、今回の依頼は私がただ安心したかっただけだから、子供たちには不本意かもしれないわね。

 私が自問自答していると、ラナちゃんが気を利かせてお茶を用意してくれた。

 お茶を飲んで一息ついた所で、私は取り合えず説明しておこうと思って、話し始めた。


「私が今回依頼しようと思ったのは、心配だからってだけじゃないの、心配なのはそうなんでけどね、もしトラブルが起きた時、衛兵や冒険者ギルドに連絡してもらえれば、犯罪も解決しやすいかと思うのよね」


私の説明を聞いて、何となく納得がいかない顔をしていたアントニーくん以外頷いてくれた。


「じゃあ、明日からよろしくね」


私は冒険者二人に声を掛けると、二人は頷いてくれた。

 その後冒険者の2人は他の依頼を受けるために、冒険者ギルドに帰っていった。

 私は改めて 子供たちに今回の依頼で町を少しの間離れることを説明した。


「それでねエイミーちゃんも回復できるけど、エイミーちゃんがいない時に怪我した場合のために、ポーションを10本置いて行くわね。

 他にアントニーくんに剣とチェスターくんに槍、後カーラちゃんに杖を渡して置くわ」


初級ポーションを10本だし机に置くと、3人に渡す武器を探すためストレージを漁り始めた。

 う~ん、杖はトレントの杖がすぐ見つかったから良いんだけど、剣と槍が良いのが無いのよね。

 初心者でも使いやすくていい武器って探すの大変ね、もうちょっと強くなったら、古代都市ナスカシリーズ試してもらうんだけど、店売りの武器って、自分が使う物以外買わなかったから無いのよね。

 私は考えながら取り出したのはこれになった。


オークソルジャーの剣

STR110 AGI60

オークの兵士が使う両手剣、オークの膂力で振り回すため刃は分厚く衝撃で折れにくい作りになている。


オークソルジャーの槍

STR100 AGI70

オークの兵士が使う槍、オークの膂力で振り回しても折れないように、硬い木材で作られた柄はその分重くなっている。


トレントの杖

INT90 MP80

トレントの枝から作った杖、トレントの木材は魔力が通りやすく魔法の媒体として優秀である。


3つの武器を机の前に出すとアントニーくんが飛びついた。

 

「これ俺達で使っていいのか!」


アントニーくんは喜びながら、オークソルジャーの剣を手に取っていた。

 遅れてチェスターくんとカーラちゃんも手に取り嬉しそうにしていた。

 そんな3人に私は注意するため声を掛けた。


「3人とも!浮かれるのはいいですが、訓練で対戦するときに使っちゃいけませんからね、もし使って怪我なんてしたら没収しちゃいますよ」


私が注意すると3人は「は~い」と気の無い返事を返しながら、自分の武器を眺めたり感触を確かめていた。

 そんな3人を私と同じように、ラナちゃんは微笑まし気に見つめていた。

 エイミーちゃんは喜ぶ3人を、指を咥えて羨ましそうに見ていたので、私はクスリと笑ってからエイミーちゃんにもトレントの杖を渡してあげた。

 

「なあ、振って見ても良いか?」


アントニーくんが待ちきれ無さそうに言ってきたので、私が頷くと3人は外に駆け出し、それを追いかけるように私とラナちゃん、エイミーちゃんは外に向かった。

 庭に向かうと、アントニーくんとチェスターくんは、武器の感触を確認するように素振りをしていた。

 カーラちゃんは魔法を唱えて、少し遠くの地面目掛けて『ウォーターショット』を打っていた。

 そんな3人に影響されたのか、エイミーちゃんも杖を持て魔法を唱えようとしていたけど、まだエイミーちゃんはヒールしか使えないため、回復できる物が無かった。

 エイミーちゃんは少ししてそのことに気付いて、頬を膨らませていたけど諦めてこちらに戻って来た。

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