第96話服が出来たよ

この五日間で孤児院の子供たちはスキルを手に入れて、大人になってからの自活方法も手に入れ始めた。

 皆がんばってるから、生活できるぐらいにはなれると良いわね。

 

アベルとマーナは、今も森の木陰亭で生活してる。

 二人は私とパーティーを組むようになって、大分収入が良くなったみたい。

 生活にも余裕が出てきたみたい。

 時々二人で孤児院に来て、男の子組と一緒に訓練していることがある。


アベル達が自分たちで来た時、アイナちゃんを連れてきた。

 アイナちゃんは直ぐに皆と仲良くなって、特にエイミーちゃんと直ぐ仲良くなって、一緒に人形遊びを初めている。

 そんな二人に、男の子と女の子の人形をストレージから出して二人に渡したら、おままごとをし始めた。

 アイナちゃんは宿屋のお家のお手伝いがある為、そんなに毎日は来なかったけど、暇を見つけては来て遊んでいる。


そんな感じで5日間皆頑張っていた。

 私はその間に皆の服を作っていて、今日やっと全員分が出来た。

 男の子組とカーラちゃんは訓練をして、ラナちゃんは時間のかかる料理の仕込みをしていた。

 エイミーちゃんは私の近くで人形で遊んでいて、キャトルーは日の当たる場所で丸くなっていた。


私は服が出来た事を、男の子組とカーラちゃんに伝えるために、外に出て声を上げた。


「皆服が出来たから、汗を流して来てね!」


私が訓練している子達に声を掛けると「ハーイ!」と元気な声が帰ってきた。

 私の言葉に気付いてすぐ反応した、ラナちゃんとエイミーちゃんが私に話し掛けてきた。


「服で来たんですね、見してもらってもいいですか?」


ラナちゃんがそう言ってきたので、私はストレージから、ラナちゃんの服を取り出し渡してあげた。

 ラナちゃんに渡した服は、中世的な白の長袖シャツに、腰がコルセットの様になっている赤のスカートだ。

 スカートの腰部分がコルセットの様になってるのは、動き回ってもずれにくいし、デザインもこの世界に有ってるからこの形にしてみた。

 

エイミーちゃんの服も出し、私はエイミーちゃんに「新しい服着てもらっていい?」と聞くと元気よく「うん!」と答えてくれた。

 ラナちゃんはいそいそと着替え始め、私はエイミーちゃんの着替えを手伝ていると、コテージの扉が勢いよく開かれた。

 急いできたのか、汗だくのカーラちゃんが立っていたので、私は取り合えずお風呂で汗を流してくるように言うと、カーラちゃんはお風呂場に突撃していった。


カーラちゃんがお風呂場に向かうのを見送っていると、ラナちゃんから声が掛けられた。

 そちらを見ると、ラナちゃんがショーツを持ってどうしたらいいか首を傾げていた。

 その様子を見て、エイミーちゃんが服を脱ぎ終わるのを確認して。


「その服は足を通して履くための服よ、こうやってね」


私は喋りながら、エイミーちゃんにショーツを着させて上げると、ラナちゃんも着始めた。

 それからエイミーちゃんに服を着させていると、お風呂場からまだ髪が湿っているカーラちゃんが出てきた。

 そんなカーラちゃんに私はストレージから服を取り出し、着かたを説明するとカーラちゃんも着始めた。

 

女の子たちが着替え終わった所で、男の子たちがコテージに入って来た。

 こちらはそんなに急いでいなかった。

 入って来て、女の子たちが新しい衣装に着替えていることに気付いた男の子たちは、それぞれの反応を見せた。

 アントニーくんは女の子たちの周りを周りながら見始め、チェスターくんは褒め始めた。

 アトムくんは顎に手を当て、考え込んでいるような姿勢で止まっていた。


そんな男の子たちに私は服を取り出して渡してあげた。


「着替えてみてください、もし動きずらい所があったら、行ってくださいね」


服を受け取った男の子たちは、自分たちのコテージに戻っていった。

 私は女の子組の服を見て手直しが必要な箇所が有るか、次にどういう服を作ろうかと思いを巡らせていた。


後はアベルとマーナの服なんだけど・・・二人の服はすでにできてるのよね。

 でも下着特にブラは作るのに困ってしまってるのよ。

 問題はホック、こんな薄くて小さいもの作れる人いないわよ!

 そこで思いついたのがボタン!ボタンなら木でも作れるし、試しにアトムくんにボタンを渡して、一緒に穴を開ける道具も渡したら作ってくれました。

 アトムくんって本当に器用、もしかして生産職の方が天職なんじゃないかしら?

 練習用の弓とかも器用に使っていたし、本当に何でもできる感じ。


アトムくんに木のボタンを作ってもらったのでブラの製作に取り掛かってます。

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