第44話テディベア
アイナちゃんにカレーをあげたよ、ついでにショートケーキもあげて、今のアイナちゃんならそこらの冒険者には負けない強化量になっちゃった。
なので強化がなくなるまで私の部屋から出さない様にしないと。
決して私がアイナちゃんと遊びたいからだけじゃ無いのよ。
私はカレーとショートケーキを食べ終わったアイナちゃんに、私はストレージから自作のテディベア取り出した。
身代わりテディベア
プレイヤーマリアの作ったクマの人形、中にフェニックスの尾羽を入れ、ディストラクションベアの毛皮で縫ったテディベア
中にはアルフォンスとカイジンが共同で作った録音機入っていてテディベアの右手を1度握ると録音し左手を握ると再生される。
効果 攻撃を受け所有者が死亡しても、一度だけ所有者の命を生き返らせ体力を完全回復する。
それを見たアイナちゃんは椅子から立ち上がり私の前に来るとテディベアを眺めながら。
「わ~、クマさんだ!かわいいね!」
アイナちゃんがテディベアをよく見ようと、背伸びしながら眺めていたので、私はアイナちゃんにテディベアを手渡し。
「これから、アイナちゃんが面倒見てあげてね」
テディベアを受け取りながら、アイナちゃんは嬉しそうにぬいぐるみを抱き締め。
「うん!大事にするね、ありがとう」と言いながらテディベアの頭を優しく撫でていた。
私はアイナちゃんがテディベアで遊ぶ姿を見ながら、ぬいぐるみなら売れるわね、と考えていた。
ぬいぐるみなら、布と綿を買って作ればいいだけだから意外と簡単に作れるし、流行なんてあまり無いから大丈夫よね。
ただ問題が、日々生きることを第一に考えてる町の人が、買ってくれるかしら?ぬいぐるみなんて趣向品だもの、買ってもらえるか分からないのよね。
私はアイナちゃんにテディベアについている録音機能を説明するために話しかけた。
「アイナちゃん、そのぬいぐるみね、右手を握って話しかけると話し掛けた声が録音できるの、そして左手を握ると再生されるのよ」
「ろくおんってなに?」
アイナちゃんの疑問にどう説明すればいいか困った私は。
「1度やってみましょ?そうすれば解るわ」
苦し紛れにそう言うとアイナちゃんは「うん!」と言いながら、テディベアの右手を握ってテディベアに話しかけ始めた。
「あたし、アイナ、これからよろしくね」
アイナちゃんが声を吹き込み右手を離し、左手を握る。
[あたし、アイナ、これからよろしくね]
テディベアからアイナちゃんの声が聞こえてきた。
それを聞いたアイナちゃんはテディベアを両手で抱え上げながら飛び跳ね。
「すごい!すごい!なんでしゃべれるの?」
アイナちゃんはテディベアが喋れることに驚きながら、不思議そうに自分の声を吹き込んでは、聞いて遊んでいた。
私はアイナちゃんの反応を楽しみながら、効果が切れるのを待っていた。
効果が切れる頃に私は、アイナちゃんと共に下へ降りようと思ったが、階段を降りている時アイナちゃんが片手にテディベアを持っていることに気付いた。
このままだと危ないかな?何かなかったっけ?私はストレージを漁り、丁度小物を入れるために作った布製のリュックサックを取り出した。
チェックがらのリュックサックで、上を向いた口は紐が通してあって、引くと口が縮むようにしたある。
「アイナちゃん、階段上ったり下りたりする時とか、手を使いたい時に、これにクマさん入れて置こうか」
私がリュックサックを見せながらそう言うと、アイナちゃんは「うん!」と元気な声で返事をして、テディベアをリュックサックに入れてリュックを背負った。
ああああああ!かわいい!クマさんが顔を出してるリュックを背負ったアイナちゃん!尊い!!
この姿へインさんに見せたら、叫びだしてアイナちゃん抱き上げて頬ずりする未来が見える!間違いない。
私が馬鹿なことを考えながら、アイナちゃんと手を繋ぎ1階に降りていくと、カウンターにへインさんがいた。
へインさんを見つけた、アイナちゃんは駆け寄り。
「おとうさん!おねえちゃんにこのこもらったの!」
自慢するようにへインさんに見せながら、へインさんにテディベアが見えるように横を向き、顔だけをへインさんに笑顔を向けた。
へインさんはその様子に頬を緩め。
「おおおおお!かわいいぞぉぉ!!」
へインさんは叫ぶとアイナちゃんを抱き上げ、抱えた両手を上げ高く掲げた。
へインさんの叫びを聞きつけて、ナタリーさんもこちらに来た。
ナタリーさんはアイナちゃんを抱えて回りながら「かわいいぞぉぉ!」と叫ぶへインさんを何事かと驚きながら。
「何事だい?」と聞いてきたので、それを聞いたへインさんが。
「ナタリーこの姿を見てくれ!」
へインさんはそう言うとやっとアイナちゃんを開放し、アイナちゃんはナタリーさんに近づいて。
「おかあさん!おねえちゃんにこのこもらったの!」
へインさんに見せたように今度はナタリーさんにテディベアを嬉しそうに見せた。
テディベアを見たナタリーさんは驚いた顔をして。
「マリアちゃんこんな高そうな物貰っちゃっていいの?」
ナタリーさんがすまなそうな顔をするので私は。
「それ、私の手作りなんです、ですから気にしないで大丈夫ですよ」
私がそう言うとナタリーさんは「案外器用なんだね」と呟き、アイナちゃんを見ていた。
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