第40話カレーを作ってみた

ウルフを倒したよ、今はアベル達が頑張って、肉と皮を剥いでる所、私はせっせとローリエの葉を摘んでいる。

 ウルフの肉は硬いって言ってたけど、どのくらい硬いんだろ?料理したら食べてくれるかな?ちょっと気になったのでアベルに話しかけ。


「ウルフの肉で料理してみても良いですか?」


私がそう尋ねると、アベルは笑顔で。


「お、料理してくれるのか?助かるよ、持って帰っても肉焼きにするだけだから、頼めるか?」


アベルから了承を得たので私は頷いて、テーブルや携帯コンロ、鍋などを取り出した所で、水が無いことに気付いた。

 ゲーム時代は水筒から幾らでも水は出たけど、今は出るのかしら?疑問に思いながら、いつも使っている水筒を鍋の上でひっくり返した。

 すると水筒から水が大量に出てきて、鍋をいっぱいにする。

 どう見ても水筒の容量より出てるわね、どういう仕組みになってるのかしら?ゲームの時は、こういう物だと思っていたけど、現実になると不思議よね。


水が出るならと肉もよく洗って、血を念入りに洗い流した。

 それから、鍋に入れ茹で始める、もちろんローリエの葉も入れて、煮始めたけど、直ぐに灰汁が大量に出って、水を変えなきゃいけなくなった。

 そんな感じで何度も水を入れ替えて、その度にローリエも入れて一緒に茹でてみた。

 本格的に煮る前に、食べやすいサイズに切り分けて、INTキャロットとSTRオニオン、後はHPポテトを一口大に切って一緒に入れた。


INTキャロット

料理素材アイテム

料理に使うと料理の出来次第で100から1000INTを上げてくれる。

効果時間は食べてから120秒間、ただしそのまま食べても効果は無い。


STRオニオン

料理素材アイテム

料理に使うと料理の出来次第で100から1000STRを上げてくれる。

効果時間は食べてから120秒間、ただしそのまま食べても効果は無い。


HPポテト

料理素材アイテム

料理に使うと料理の出来次第で100から1000HPを上げてくれる。

効果時間は食べてから120秒間、ただしそのまま食べても効果は無い。


なに?使いすぎじゃ無いかって?仕方ないじゃない、他に食材が無かったんだもん。

 さらに1時間ぐらい煮続けて、この時点で2時間が立っていた。

 煮込み始める前に、お米を炊いて置くことも忘れない。 


アベルは暇そうに周りを見て、薬草を見つけては採取していた。

 マーナは私の料理している姿を、興味深そうに見て、食材について質問してきた。

 私はマーナの質問を、当たり障りのないことを説明しながら、料理をしていく。


料理をし始めてから2時間は立っていたが、鍋の中の具材はかなりいい感じにできてきたので、仕上げとばかりにある物を鍋に入れた。

 食材見て、何となく私が何を作っているか、分かった人も要るかもだけど、まあ想像通りカレーです。

 キャンプの定番、外で食べる料理で1番人気だと私は思う、焼き肉の方が人気だ?料理なら焼き肉より手間がかかってるんだからいいじゃない。

 家さんのカレールーを入れてルーが溶けるのを待ってなじんだら完成!カレールーを投入したとたんアベルが走ってきて。


「スゲーいい匂いがするんだけど何だこれ?」


と食いつかん勢いで聞いてきた。

 マーナはクーとお腹を鳴らながら。


「マリア、お腹すいた!」と訴えてきた。


仕方ないな~ご飯も炊きあがってるだろうし食べますか。


「分かったわよすぐ用意するから座ってて」


私はそう言いながら、テーブルの近くに椅子を出すと、二人は行儀良く座って待ち始めたので、私は炊けたお米を、カレー用の深めのお皿を出し、カレーを注ぎスプーンと一緒に手渡した。

 全員分用意したところでアベル達は。


「「いただきます!」」


言い終わるや否やカレーを掻き込み始めた。

 私は一口肉とカレーを食べて、頷いた。

 うん、いい出来、カレーのお陰で肉の臭みもそんなに気にならない、ちょっと硬いけど歯ごたえがあって悪くないわね、さすが、カレーは偉大だわ。

 私が一口食べて考えごとをしていると、アベル達が。


「「おかわり!」」


2人で先を争う様に食べ、3杯もおかわりしていた。

 お米多く炊いといてよかった。

 2人で全部たいらげちゃった。


「こんな美味いもん食ったの初めてだ!いつもは少し塩を振った、硬くて臭い肉に齧りついてたのが嘘みたいだ!」


「ウルフのお肉がこんなに美味しく成るなんて、信じられないよ~」


2人が満足そうにしているのを見ながら、二人が食べ終わるまでにカレーを食べ終わっていた私は、カレーのなくなった鍋と食器類を洗っていた。

 時間は3時か~、まだ時間あるから残りのウルフの肉も調理してすぐ食べれるようにしてあげようかな?


「まだ町に帰るまで時間ありますから、残ったウルフの肉すぐ食べれるようにしましょうか?」


「いいのか!?俺は助かるよ」


「あたしも!あたしも!」


2人の言葉を聞いて私は預かっていたウルフの肉を茹で始めた。

 う~ん、鍋ごと渡すわけにはいかないわよね?となると茹でて灰汁を抜いた肉に塩、コショウ、後はS&〇のカレー粉を塗して後は焼くだけでいい様にしてみた。

後は綺麗な布に包んで渡せるようにした。

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