第38話ウルフ討伐

レインさんとの話が一段落して、アベル達の所に戻り、今後の打ち合わせをする為、食堂の席に場所を移した。

 アベル達はまだ納得していないような顔をしていたが、私は取り合えず話し合って、本人たちが嫌ならやめとこっかなと考えていた。

 私はアベル達に向き直りテーブルの付くと話始めた。


「改めまして、私はマリア、神官をしているわ、よろしくね」


私が話を切り出すとアベルがつっかえながら答えた。


「お、俺はアベル、職業は戦士だ、よろしく」


そんなアベルに釣られて、マーナが自己紹介し始めた。


「あたしはマーナ、職業は狩人ね、これからよろしく」


言い終わるとマーナは私の手を取り、両手でブンブン振りながら笑顔で。


「それにしても嬉しいな!ゴブリン討伐では、中心で活躍してた子とパーティー組めるなんて」


私はゴブリン討伐の時、そんなに目立ってたかな?と思いながら。


「ずっとソロだと、勧誘が終わらなそうだったから・・・」


私の呟きにマーナは「ああ」とだけ呟いて、納得したような顔をした。

 アベルも納得したように頷いている。


「じゃあ、マリアさんは、俺達と正式にメンバーになってくれるんですよね」


「ええ、そうですよ、それとこれから仲間になるんだから、マリアで良いわ」


私が笑顔でそう言うと、アベルも笑顔になって。


「じゃあこれから、よろしく」


「ありがとうございます、それではこれからどうします?」


2人に納得してもらい、次に何をするのか考えることにした。

 私がそう言うと、アベルが一枚の依頼書を取り出して。


「俺達もう、依頼受けちゃってるんだ、よかったら一緒にいかないか?」


アベルは話しながら、依頼書を見せて来た。

 依頼書の内容はウルフ討伐だった。


「ウルフ討伐は、鉄等級の冒険者の稼ぎ易い依頼なんだ、1匹倒すだけで1000ローンだし、上手く狩って毛皮を売れば5000ローンになるんだ」


討伐依頼書を見せてもらう、ウルフの討伐って書いてある。

 鉄等級で受けれる依頼なのね、1匹の値段と大まかな生息地が書かれていた。

 ウルフか、どのくらい強いのかな?ゴブリンよりは強いわよね。

 私は強さが気になり、アベルに聞いて見た。


「すいません、ウルフってどのぐらいの強さでしょう?ゴブリンくらいですか?」


「さすがにゴブリンよりは強いよ、一般人よりちょっと強い位かな?ウルフの厄介な所は、群れで行動して狩をする所だね、一人だけなら銀等級も倒されることが有るから、気を付けて囲まれない様にしないといけないんだ」


確かに群れは厄介ね、アベルはゴブリンの群れにやられて、死にそうになってたんだから。

 私はアベルが死にかけた経緯を思い出しながら、アベル達の装備を見た。

 アベルは革鎧に鉄の剣かしら、革鎧は自分で修繕した痕が見えるから、防御力は余り期待出来ないわね。

 マーナも革鎧に木の弓と短剣を持っているけど、大丈夫かしら?一度戦ってる所を見てみるのが一番ね。


「それじゃあ、ウルフ退治に行ってみましょうか?」


私が切り出すと、アベルは頷き、マーナと一緒に椅子から立ち上がった。

 全員で冒険者ギルドを出て、ゴブリンの集落のあった森へ行き、ウルフを探す。

 南門をくぐる時、アベルが木の板を衛兵さんに見せていた。

 どうも依頼を受けて町から出る場合は、ギルドで証明のために木の板が貰えるらしい、それを衛兵さんに見せると入市の列に並んだり、入市税を払わなくてもいいんだそう。

 

私は森を見渡して、ウルフがいないか見回しながら、ついでに薬草を探す。

 森だからかキュア草が生えているわね、他には何か、無いかしら。

 私が辺りを見回すと、見覚えがある葉を付けた木を見つけた。


長い楕円形の葉、よくグリーンカレーに入ってる、ローリエに似てる。

 私は1枚取り匂いを嗅いでみる。

 少し甘い香りがする、匂いを確かめた後、口に入れて噛んでみる。

 仄かな苦みが口に広がった。

 これってローリエよね、匂いといい、口に入れた感じといい、これが有れば、肉料理の臭み取りに使えそう。


私がローリエらしき木の葉に興味を待って調べていると。


「来た!ウルフだ!気を付けろ!!」


アベルの叫びが耳に届いた。

 私は直ぐに臨戦態勢になり、『ブレッシング』と『リジェネレート』をアベルとマーナに掛け、自分はストレージから盾とメイスを取り出した。

 取り出した盾は、標準的なナイトシールド(矢じりの様な形)と、標準的なメイス(ヘッド部分がトランプのダイヤのマークの様な形)を取り出した。


ナイトシールド

HP200 VIT500

古代都市ナスカの亡霊騎士が身に着けている盾、嘗ての栄華を忘れられず古代都市を彷徨う亡霊騎士が成仏するときに落とすことが有る。


古代神官のメイス

STR500 INT100

古代都市ナスカの亡霊神官が身に着けているメイス、嘗ての栄華を忘れられず古代都市を彷徨う亡霊神官が成仏するときに落とすことが有る。


この二つ、強化の基礎素材だったりする、この盾やメイス、他にも各種武器を元に色々な素材と組み合わせることによって、一戦級の装備になるから

売れるのよね。

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