幕間1
俺はへイン、トラットの町の衛兵だ。
俺は今、町の外に出てゴブリンの大群の発生した問題で、街道に出て拠点設置のため仲間と一緒にテントを設置して回っている。
「ゴブリンどもめ何時の間にあんなに繁殖したんだ」
俺の呟きに相棒のヨランが。
「でも街道に出てきた数だけでも100は居たって聞きましたよ?」
「らしいな、しかも上位種も大分混じってたとか」
俺はヨランと話しながら作業をしていると、ヨランが不安そうな顔をして。
「今、冒険者達がゴブリンの集落に向かってるんでしょ?大丈夫でしょうか?」
ヨランの言葉に俺は確証の無いが、楽観的に返事をする。
「保障はできんが、大丈夫だと思う。
昨日の戦闘でもこちらの被害は0だ」
「凄いですよね、彼女、倒れていた怪我人一気に治療したって聞きましたよ」
ヨランが多少興奮して、マリアの事を言う。
確かに凄い、怪我人を一気に治癒してしまう事と言い、チャンピオンの攻撃を盾で受け続けて居たって聞いた。
「それにチャンピオンの攻撃もマリアがすべて止めてったらしいからな」
「そうですね、怪我を治してもらって冒険者の中には彼女のこと「聖女」とか「女神」って呼んでる奴も居るらしいですよ」
聖女に女神か、確かにマリアのあの回復魔法は異常と言えるレベルだ。
「それに彼女の神聖魔法を掛けてもらった冒険者達が「自分じゃないみたいに強くなった」って言ってました」
「神聖魔法を掛けながら、前線でチャンピオンの攻撃を止め続ける姿は、戦乙女の様だって声も聞いたな」
俺はテントの設営を終え、巡回任務になった。
でも拠点内の循環だから大して変わり映えしねえんだよな。
俺達が昨日の戦闘後まで来ると、他の衛兵がゴブリン達の死体を穴を掘って入れ、燃やしている所だった。
「死体処理も一苦労だな、燃やしてはいるみたいだが、100匹は今日だけじゃ燃やし切れないな」
「そうですね、死体処理係にならなくてよかったですね」
ヨランがそんなことをぼやいていた時、敵襲を知らせる呼び笛が鳴らされた。
俺とヨランは槍を担いで呼び笛が聞こえた方へ走る。
森に近いテントの近くで衛兵たちがゴブリンと戦闘していた。
「くそ、狩残しか?」
俺は呟きながらゴブリンに走り寄る。
槍が届く距離に入り渾身の力を込めて槍を突き出しゴブリンの腹に矛先を突き込む。
ゴブリンが「ぎゃ」と言う短い叫びを上げ直ぐに力尽きた。
俺は周りを見回し状況を確認する、とりあえずヨランは無事らしい、他の者も怪我はしているらしいが怪我をした仲間を庇って戦っている者も目立つ。
「何匹居やがる!」
俺は近くに居たゴブリンへ槍を突き出しながら、周りの状況を確認していく。
どうもゴブリンの数は17匹ぐらいだな。
俺がゴブリンの数を確認している時に人間と同じデカさの影が森から出てきた。
ホブゴブリン、ゴブリンなら簡単だがホブゴブリンとなると。
俺は悩みながらもホブゴブリンに槍を突き出す。
おれが突き出した槍先は当たりはしたが浅かった。
そのせいでホブゴブリンに槍を掴まれ、力いっぱい振り飛ばされる。
俺は嬢ちゃんから貰って飴を口に放り込む、その瞬間、身体に力がみなぎってきた。
これなら勝てると思い俺は腰の剣を抜いてホブゴブリンに切りかかる。
ホブゴブリンは防御しようと手をあげるが、遅い!俺は上げかけた左腕を切り落としその勢いでホブゴブリンんの背中に回り込んだ。
「これで終わりだ!」
俺は渾身の力を込めて、背中から心臓が有る当たりを目掛けて、剣を突き入れた。
ホブゴブリンは、俺を捕まえようと少しの間藻掻いていたが、徐々に力尽きて、倒れた。
それに気付いたゴブリン達は一斉に蜘蛛の子を散らす様に四方八方に逃げて行った。
俺は追いかける気力も無くその場に座り込み安息するのだった。
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