都市の中枢
一度来た戻り水が流れている所に戻ってみる。
「こうなっていたのか…」
「水が、地面に染み込んでいますね」
コンクリートのような物で出来た地面で水が染み込むような隙間が一切無いように見えるがまるで消えるように流れて行っている。
「こんなことが…いや、おかしい…」
依頼主が有り得ないという風に頭を抱えている、ユウキはその様子を見て、さすがにファンタジーな異世界でもこの現象はおかしいのかと呑気に思っていた。
「さすがAランクの方ですねこのような現象ににも平然としていられるとは、きっともっと超常現象に遭遇しているのでしょうね、あぁなんて世界は広いんだぁ」
「まぁ、そうですね」
ユウキを持ち上げて勝手に盛り上がる依頼主を見てユウキは引いていた。
「とにかくもっと調べるために試しにこの空間の外周を一周してみましょう」
「うぅ、流石に距離が……あそうだ、私はこの事を今!、記録しなければ忘れてしまいそうだ、申し訳ないが君だけで見てきてくれないか?」
「はぁ、別にいいですよ」
1人で1周したほうが早いと思い依頼主のわがままを了承する。
「さて、もう見えないかな…」
依頼主から少し離れて様子見てこちらを見ていないのを確認してから歩くのを止め少し浮きながら滑るように移動しながら探索していく、その方が疲れないので楽に進める。
都市の全ての下水道が此処に集まっているだろう下水がいくつも流れてくる下水道がある。
「匂いと暗闇は何とかなるけど何も無い代わり映えしない所を行くのはキツイなぁ」
なんてぼやきながら回っていくと一箇所だけ下水が流れていない所があった。
「うーんここ、言ってみるかなぁ…」
入ってみるとここからは異臭が少なかったので少し探索することにした。
「行ってみるもんだな」
進んでみると行き止まりになっており、鉄製のドアがあった、錆び付いたり風化したり等はしておらず新品同様だった、試しに開けてみると鍵が掛かっておらず簡単に開ける事ができた。
「お邪魔しまーす」
中は真っ暗で入ると目の前にいきなり文字が現れた。
[ようこそ!。]
それはユウキにとって幼少期に見た懐かし表示だった。
「なんでこれが……」
驚きのあまり動けずにいた、そんなユウキの事情などお構いなしにどこからか機械が起動する音が聞こえてくると共に部屋に照明がつく。
目の前には一台のデスクトップパソコンが置いてあるだけでこの部屋も一人でパソコンに向かって作業するための広さしかない。
「ここは剣と魔法のファンタジーな世界だよね……?」
確認するようにフィアやカルラに問いかける。
(我にとってはここが現実なんじゃがのぅ)
(私もこの光景は別世界かと思ってしまいますねぇ)
「良かった、みんないた夢じゃない
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