第171話 水着美少女が多い4

 今は、これからの移動手段の確認のため少し俺達から離れていた石見先輩。結崎が戻って来たところ。


「バスは端っこのとこだったよ」


 結崎はそう言いながら俺達のところへとやって来た。

 ちなみに今俺たちは駅前にいるが。ちょっと人通りから離れた。というか。人が少なく。見るからに本数が少なそうと、思える感じの場所に乗る予定のバス停があるらしい。結崎がそちらを指差していたのでね。どんなところに連れて行かれるのだろうか。怖くなってきたな。


 とりあえず、不安を覚えつつも俺たちはバス停へ移動した。

 ちなみに本当に俺の予想通り大変本数の少ないバスに乗り――3時間に1本だった。マジか。

 そんなこんなで、しばらくバスに乗った後。途中で電車に乗り山の中へ向かった。バスで終点まで。とか勝手に思っていたら電車に乗り換えだった。 普段は乗ることのない鉄道会社だった。

 ちなみにいつも俺たちが使うちっちゃな電車ではなく。普通サイズの電車だった。車内広い。また電車の車内は、のんびり昼ごはんが食べれるレベルで空いていた。そしてしばらく電車に揺られて降りた駅は――田園駅に似ていた場所だった。

 そうそう、俺はこのやって来た土地の名前は初めて――って、危ない危ない。ちょっとぼーっと駅を見ていたら見捨てられそうになっていた。なのでちゃんと名前を憶えることは出来なかった。


 でも、とりあえず移動は完了である。昼過ぎには山が近いところまで俺たちはやってきたのだった。


 そうそう。本日泊まるのは旅館らしい。駅から少し歩いて行くと……普通にいい感じの老舗旅館という感じの建物が現れた。ちなみに普通は車で来るみたいで、駅からは人は居なかったが。駐車場には車が何台かあった。


 ってか、こんなところタダでいいのかよ。石見先輩曰くはOKらしいが。親の知り合いで使いたい。泊まりたいと話したら――石見先輩が使うなら空いていたしでOKが出たらしい。マジかーである。知り合いって多いと良いんだね。

 そんなこんなで俺達はまず旅館の中へと入ると――俺たちは大部屋に通されたのだった。ってか、石見先輩がこの部屋が良いと頼んだらしいが。って、部屋に入るまで石見先輩しかこの事実を知らなかったらしく。さすがにみんなびっくり。

 って、石見先輩。男女いるんですがね?っか、少数派の男子大丈夫か?ちなみに石見先輩は早速部屋の物色。押し入れの中のチェックなど。まるで子供みたいな行動をしていた。


「松尾、同じ部屋ってマジ?」


 ちなみに俺の隣では、部屋に案内されてすぐ。六石がちょっと興奮気味にそんなことを聞いてきていた。


「こりゃ……マジだな」

「やっぱ俺来てよかったー。俺に運が……」


 ――六石。こいつ喜んでるわ。知らんぞー。ここの人ら怪しいというか。怖いというか。大変だから。と、俺は思いつつ。一応早めに警告をした。


「……いや、注意しないとだと思うぞ?」

「えっ?注意?」


 何を言っているんだ?という感じで六石が聞いてくると。


「六石。こっち見たら死刑だから」


 その次の瞬間。長宮さんにバッサリ言われた六石だった。

 って、女性陣は女性陣で、結崎中心に石見先輩に問い詰めている?確認中かな?だった。って、よくよく見ると。クレーム。抗議中は結崎だけのような。気のせいかな?とりあえず、向こうは結崎に任せて――。


「怖っって。俺だけ?って、見たらって無理だろ」

「あっ、先に目潰せばいいかー」

「長宮怖っ。って、ちょ、松尾は?」


 そういえばこちらへとやって来た長宮さん。六石に向かってそんなことを言っているが――俺には何も?だった。

 って、長宮さんとは普通に俺の部屋でとかがあるから、気にされてない?マジか。俺慣れられたか。いや、そもそも前からだが。男として認識されてないか。


「奈都。そこは女の子にすればいいんだよ。切ってさ。そしたら大丈夫っしょ?」


 長宮さんと六石が話していると、笑いながら――なんか恐ろしいことをいう蓮花寺さんが近寄って来たのだった。

 いやいや、マジ怖い。長宮さん以上に怖い。誰か止めて。って、俺が言えばいいか。って言わないとダメだよな。


「……蓮華寺さん。まじそれは怖いからやめて?」

「あー、大丈夫大丈夫。松尾は手出せないからねー。周りが怖いから」

「うん?周り?」


 にやにやしながら蓮華寺さんが言う。って、周り?どういうこと?


「え?待て――俺1人が危機?何で!?」


 すると六石がターゲットは自分だけど気が付き。何か騒いでいたが――残念ながら六石の相手をする人がおらず。って、蓮花寺さんは俺の方を見つつ小声で。


「私がゆえにやられる。あと奈都にもやられる」

「——はい?」


 蓮花寺さんが楽しそうにそんなことを言ってくると。


「——澪?」

「ヤバっ。ゆえ怖っ。今ので聞こえるの!?」


 すぐにびっくりしていたのだった。結崎がすぐに反応ってか。石見先輩と話していたはずなのに――自分の名前に反応し。即石見先輩の隣からこちらに移動してきたのだった。結崎の耳も怖い。下手な事言えないよ。


「妻が反応。松尾。とりあえず助けて」


 そんなことを言いつつ何故か俺の後ろにまわる蓮花寺さん。


「蓮華寺さん。あまりいじらない」

「いいじゃんいいじゃん。ってか、さすがに怖いわーゆえが切れる」

「ねえねえ、なんか澪。今私の名前出さなかった?」


 すると。はて?という表情で長宮さんも会話に加わって来た。


「出してないけど?」

「あれ?」


 長宮さんは長宮さんで不思議そうな顔をしていた。ちなみに俺は言わないが――蓮花寺さん長宮さんの名前も出していたがね。


「いやいや、俺だけ扱いが……」


 ちなみに六石は1人でまだぶつぶつ――誰か相手してあげて。


「まあ奈都も松尾に手——」

「澪うるさい。ゆえ。澪潰そう」

「うん」

「おー。ヤバいヤバい。ちょっと調子乗ったー」


 調子乗ったー。とか言いつつも詰め寄ってくる結崎、長宮さんの相手を普通にしている蓮花寺さん。すごいっすわ。ってか、何で長宮さんも結崎側に立っているのか?普段は違うよね?あれ?なんか言われた?そういえば今蓮花寺さんが何か言いかけた?うーん。なんかあっちは3人で今忙しそうだから。そっとしておくか。

 とりあえず大部屋は変わらないみたいだからな。俺は隅っこに荷物を置きに向かった。


「あっ、このままゆえ、奈都バトルも」

「「澪!」」

「おー、息ぴったり」


 なんか後ろで騒いでいるが――そっとしておこう。


「にしても2人も仲良いね」

「「澪!」」


 っか。蓮華寺さんはマジで結崎、長宮さんの相手を1人でしているのに、余裕というね。めっちゃ今の状況を楽しんでらっしゃるみたいだった。俺には真似ができないというか。2人も相手できないわ。

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