第65話 終業式それは始まり9
何とか自主規制……になる前に結崎の体調は快方に向かったらしい。現在は俺の横で再度飲み物を飲み。ゆっくりとしているところだ。
熱中症だったのかは、俺は素人だからわからないが。
とりあえず落ち着いたので俺の判断。対応は、正しかったらしい。よかったよかったである。
とか俺が思っていると結崎が何かに気が付いたのか。急に俺から少し離れた。あれ?なんか俺やらかした?と思っていると。
「……ごめん。絶対……私汗臭いよね?ってか汗臭かったよね?」
「今更ってか、俺の方が汗だくだったし」
今こそ結崎の部屋は涼しいから汗もひいたが……お互いさまというか。結崎の部屋はいい香り。って、こんなこと言うと……だから言わないが。
マジで匂いは全く気になっていなかった。ってか。結崎が言って、その際俺の方がやばくね?と冷や汗?そんな感じになっていたのはむしろ俺の方だったかと思う。
「あっ、そういえば運んで……もらったんだった……ごめん汗でベタベタだったのに……あと暑い中」
「いいって。それに……結崎がボロボロなの初めてじゃないし」
「だ・か・らー。なんで過去を出してくるかなー。って、どっちも私が悪いんだけど……」
「再度悪い。っかまあ、だから気にするなよ。あまりの暑さだったからか。駅から結崎の家まではマジで誰にも見てなかったし」
「……ありがと。でも、やっぱり松尾君のそばだと……落ち着いた」
「えっ?」
ふと結崎がそんなことを言いだした。っか、前にも聞いたようなことだな。と俺が思っていると。
「事実。電車では……またあの時みたいな感じだったけど、今日は松尾君が横に来てすぐ声かけてくれたから……それだけでもちょっと落ち着いたから」
「毎度ながら、俺にそんな効果ないと思うんだがね」
「あるよ。ありがとう。電車の中で……って考えると……今後乗れないよ」
「ははは……まあ、うん。いいか。っかそろそろ帰るよ。結崎着替えたいし休みたいだろ?俺も着替えたいし」
俺がそう言いながら立ち上がると。
「あっ、そ、そのさ。松尾君」
「うん?」
結崎が何か言いたいことがあったのか。慌てて俺を引き留めてきた。
「……その今聞くことかは……だけど、その夏休みってどうするの?」
ほんとそれは今聞くことか?と俺は思いつつ。
「夏休みね。まあ……特に何もなく。じいちゃんばあちゃんの手伝いとか。ダラダラすると思うけど?まあとくに何もなしだな」
俺が言いながら。まあそんな夏休みになるだあろうなー。と思いつつ話すと。
「……そっか。わかった」
結崎が何に対してわかった。と言ったのかは、だったが。なんかここで話を切るのも……変かということで俺は逆に聞いてみた。
「っか結崎は?実家帰ったりとかか?」
「あー、うん。それもあるかもだけど……」
「……うん?」
「いや、松尾君がよかったら。夏休み中も……会えるかなーって。どうかな?」
「—―えっ?」
あれ?なんだこれ。なんか結崎が恥ずかしそうに話すから変な空気が。とか思っていると。結崎も気が付いたのか。慌てて……。
「そ、その!松尾君の……ほら、近くに居ないとまた……さっきみたいに疲れちゃいそうだし奈都や澪に振り回されそうだから……」
「まあさっきのは疲れたというより……猛暑の中激しい運動したからでは……?でもまあ……結崎の方はいろいろと夏休みもなんか大変そうで」
「だ、だから……やっぱり松尾君の近くが最強の楽だから。休み中も少しだけでいいから……どうかな?」
「何回も言っているが俺にそんな効果はないと思うんだがね」
「あるの。あるから。今もすごく……良いし」
「……良いって……まあ役に立ってるならだが」
「それに私1人暮らしだから……いつでも呼べる男の子が居ると心強いというか……って私何言ってるんだろう……」
結崎が顔を赤くしつつ下を向いた。でも、頼りにされることはいい事なので……地味に頼りにされると嬉しいし。
「まあ……そりゃ頼ってもらえるなら。嬉しいし。そりゃ別に俺はいいけど」
「……いい?遊びに行くのいい?」
結崎は確認するかのように再度聞いてきた。
「っか、普通に遊びに来たかったのか」
「なっ……でも、まあそうかな」
なんか引っかかる感じはあったが。まあいいかと俺は思い。
「どうせ俺は暇してるし。問題はないか。ばあちゃんも喜ぶだろうし」
「やった。じゃ、また連絡する」
「ああ。その前に休めよ?」
「あはは……休みます」
「うん」
「……」
「……」
……俺が返事をした後。何故か変な沈黙があったのは……なんだろうか。
なんで沈黙が訪れたのは、わかったんだがね。
いや話すだけ話したら結崎も多分だが次の会話。とか思っている感じだったし。俺の方もあれ?なんかまとまったけどこの後は……?なんて声をかけるべきなんだ?とかになってね。まあちょっとした沈黙のち。
どちらともなく話そうと、俺から見れば結崎と目が合った時。結崎から見れば多分俺と目が合った時でほぼ同時くらいに口を開こうとしたら。
♪♪~
音楽が先に結崎の部屋に鳴り響いたのだった。
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