第59話 終業式それは始まり3

 図書委員を終えての帰り道というか。まだ廊下か。

 とりあえず下駄箱へと歩いている時に、なんかタイミングが良すぎるというか。良すぎるな。絶対どこかで俺の行動が見られている。と俺は思いつつ。

 今届いたメッセージを確認してみると。


「教室来ーーーい!」


 という蓮花寺さんからのメッセージと。


「抱いてこーーーい。キャーーーー!!」


 という長宮さんからの謎な。いや危険な香りのするメッセージが届いていた。

 確実にタイミング的にどこかで見られている気がする。なので周りを見たが特に人影はない。

 なんだよこの内容。とスマホをその後二度見する俺だった。

 ちなみに、これを無視すると、なので下駄箱に向かっていた俺だったが。

 とりあえず教室の方へと向かうことにした。蓮花寺さんが教室と言っているのは、俺達の教室だと思いつつね。これで他の教室だったら、諦めようである。長宮さんの方は意味不明なため放置だ。


それから俺は教室へと移動して中を覗いてみると。


 結崎が1人で席に座り。スマホをいじっていた。

 そしてたまたま結崎が顔をあげたためこちらと目が合った。っか俺の足音で気が付いたと見た。


「……あれ?松尾君。委員会終わったの?」

「あー、うん。ってか結崎だけ?」

「うん?うん。今はね。ちょっと前までは奈都と澪も居たんだけど、なんかちょっと待ってて。って、言ってどっか2人とも行っちゃった。すぐ戻るって言ってたんだけどまだなんだ」


 結崎はなにも聞かされていないみたいだが。とりあえず俺の直感が正しければ、これは罠である。

 でも、すぐに決めつけるのもなので確認のため。俺は結崎に話しかける。


「蓮花寺さんにはここに来るように言われたんだけど……」


 早速事実を話すと。


「えっ?澪から?」


 結崎の反応からして全く結崎は2人の行動を知らないとみた。そしてなんか2人の都合のいいように動かされたとみた。


「そう、ついさっきメッセージが来たんだけど……これ……もしかしてなんかハメられた?」


 俺が言うと、結崎は少し考えってから……自分のスマホを操作しだした。

 そして耳にスマホを当てていたので、誰かに電話をかけだした。多分蓮花寺さんだろうな。と俺が思いつつ見ていると。出なかったらしく。結崎はスマホを耳から離した。


「澪。無視したかな」


 そして結崎も何かおかしいことに気が付いたらしい。


「……なんで俺呼ばれたのか。って帰っていいかな?お腹空いたし」

「多分、いいんじゃないかな?」

「そういえば、長宮さんからも変なメッセージ来てたな」

「変なメッセージ?」

「あ、うん」

「どんな?」

「あっ……いや……」


 これはなんか言いにく。ということで流そうと考えたのだが。口にしなかったらよかった。と思ったがすでに手遅れという感じだった。


「なになに?」


 結崎が興味を持ってしまったらしく。俺に寄って来ていた。

 さて俺どうするか。選択肢はまだあるが。答えをミスるとなんでね。どうしようか?と考えつつ。見せると、なのでここはとりあえず。


「ま。まあ蓮花寺さんと同じようなことだよ」

「うん?そうなの?」

「そうです」


 とりあえず俺が言ったら、3人目の声が聞こえてきた。


「違うよー「抱いてこーーーい。キャーーーー!!」でしょ、松尾君」


 後ろから長宮さんの声が聞こえた。って居るじゃん。

 そしてメッセージの内容を完璧に声に出して再現してくれていた。他に生徒が居なくてよかった。


「長宮さん居るし。ってかあれはなに?」

「うん?だから。寂しがってるゆえに抱きつけー。でしょ?ゆえ1人で今寂しがってたじゃん。わからなかった?」

「な。何言ってるの!」


 長宮さんが言ったことに反応する結崎。ちなみ俺には暇そうにしている結崎と見えていました。


「えっ、違うの?」

「そんなことないから!って、2人待ってただけじゃん。急に2人がどこか行っちゃうから。そしたら松尾君が来たの。そうだよね?松尾君?」


急に俺に話がまわって来たので、ここはパスでいいかと。


「と……俺の横では叫んでおりますが」


 俺はそのまま長宮さんに聞いたのだが。そのタイミングでまた違う人の声。4人目の声が聞こえてきたのだった。忙しいこっちゃ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る