第42話 準備室も大掃除2
結局——何時だ?16時前くらいまでか。俺達は図書室の大掃除をしていたのだった。って、俺達真面目過ぎるだろ。
ちなみに、俺は女子3人組が、途中で飽きるかと思っていたのだが。終始真面目だった。話しながらだったが――すでに俺と結崎が出した本は本棚の中に戻っている。
そしてその他の本はすでに紐で縛られて、図書室の入り口に置かれている。あの3人。めっちゃ真面目でした。
「助かったー。1日で終わるって思ってなかったから。結崎さんたちありがとうね。ほんと」
「いえいえ」
今は楚原先生と3人?が図書室の受付のところで話しているようだ。ちなみに俺は――。
「楚原先生。最後の段ボールに詰められている――えっと、なんか飾り?これはどうするんですか?」
「あー、それももう使わなから」
「わかりました」
俺はまだ働いていた。というか、準備室。図書室からゴミ捨て場までの往復地味に大変なんだよ。外暑いしさ。階段もあるし。でなんやかんやでほとんどゴミだったため。ホント何往復しただろうか。
本当は3人に手伝ってもらえば早く終わったのかもしれないが、本も結構大変な作業だったはずなので、今は休憩してもらっている。
俺はゴミ袋に全て押し込んで、段ボールを畳むと周りを見る。準備室がめっちゃ綺麗になっている。床がちゃんと見えている状態となった。
さらに奥にあった机。ってか机があること自体はじめは知らなかったが。今は机が日の目を見ていた。ここにどんだけ物が押し込まれていたのかだよ。
そしてゴミがもうないことを確認した俺はゴミ袋を縛って、途中から久しぶりに開けたとか楚原先生が言っていた準備室側のドアから廊下へ。そしてゴミ捨て場へと向かう。ちなみにその時もまだ図書室からは楚原先生と結崎、蓮花寺さんの声が聞こえてきていた。
あと、廊下は、とっくに放課後となっているので生徒は居ない。
いや、ちょっと居たか。どうやら部活の部屋とかでも掃除をしていたところがあったらしく。先ほどは数人ゴミ捨て場で見かけた。さすがに今はもう帰ったかもしれないがな。とか思いつつ俺が廊下を歩いていると。
「きゃっ」
「あっ、すみま――って長宮さん?」
「あー、松尾君か。びっくりさせないでよ」
女子トイレから長宮さんが出てきて、危うくぶつかるところだった。いやまさか人が出てくるとか思っていなかったので。音もしてなかったし。ってか、図書室に長宮さん居なかったか?いや――声は結崎がメインで――もしかしていなかった?
「いや、ごめん。ちょっとぼーっと歩いていた」
「そうやって言って実は女子トイレ覗いてた?うわー」
勝手に妄想を膨らます長宮さんが一歩下がる。
「いやいやいや、なんでそうなるかな?って俺にゴミ捨て中だから」
「それ最後?まだあるの?」
「この段ボールとゴミ袋で一応終わりみたい」
「じゃ、やっと終わりだねー。私頑張ったー」
「いやほんと手伝ってくれてありがとう」
「じゃ今度高級レストランを」
「それは無理です」
無理なことはすぐ断る。これ大切である。
「えー。ってか早く捨てに行こうよ」
「えっ?」
「だってここで話してたら終わらないじゃん」
「まあ、って、結崎達は図書室だけど?」
「まあまあ、松尾君取ったなりー。って、後でゆえに自慢してやろうかなー。って」
「なにをお考えで――」
とりあえず長宮さんはろくなことを考えていないことは確定。
ってか女子トイレ前で話しているのも、なので俺たちは歩き出した。
って、長宮さんがこっちについてくる理由が——なんだが。いいか。揉めてると進まないのでね。
それから下駄箱へ行き、靴を変える。そう、これがあったから結構時間がかかっていたんだよな。外に捨てにいかないと。なんだが。上履きのままじゃいけないので。毎回こうやって履き替えていた。
「うわ、外暑っ」
外はもわっとしている。
「図書室一応エアコン付いてるからね、窓全開だったけど」
「まあ外よりはマシだったねー。って、すぐに汗が出てくるー。やだやだ」
「なら図書室に戻った方が――」
「もう靴に変えちゃったから早く行こー」
「——了解」
とくに俺の持っているごみを持つでもなく。って、別に持ってほしいとかでもなかったのだがね。ゴミの量も大量ではないし。
「ってかさ、楚原先生って話してみるといい先生じゃない?怖いとか言われてたけど」
「まあ、あれはね。楚原先生が楽しんだとか。いろいろあったから」
あれはいろいろあったのです。多くは語らなくていいだろう。無駄に広げてもだし。
「うん?でもかわいい先生」
「ははは」
「私と変わらないからねー。って何言わせるんだー」
「いやいや、1人で何してるの?」
長宮さんと話しつつ。ごみ捨て場へ。すると――。
♪♪~
俺の隣を歩いているお方の手に持たれていたスマホが鳴る。
「あっ。帰って来ないから心配されてるなー。もしもーし」
そんなことを言いながら長宮さんは電話に出た。今の雰囲気からすると――結崎か。蓮花寺さんからの電話か。とか思いつつ俺は段ボールを置いて、ゴミ袋は指定の場所に置いた。これで完了だ。そして、長宮さんの方を見ると。
「そうそう、松尾君に掴まってねー」
「——長宮さん。ちょっと待とうか」
さらっと嘘を言っている方が居たので俺即長宮さんの近くに移動。
「松尾君松尾君。ゆえが激オコだってー」
「——えっ?」
「松尾君が浮気したー。って」
「はい?何がどうなってそんな意味の分からないことになった?」
「うーん。あんまいい反応してないよ?こっちは。松尾君普通ー」
「ちょちょ、ホントどんな話してるんだか」
嫌な予感というか。また勝手に何か起っている気がするんだが――。
「まあもう帰るからー。はいはーい」
長宮さん。誰かとの電話終了。多分蓮花寺さんだろうが――って、いやいや、今の何さ。何だよ。と俺が思っていると。
「だって松尾君」
電話を切った長宮さんがこちらを見つつ言った。意味わかんないんだけど?
「いやいや意味が分からなかったんだけど」
「とりあえず私がトイレに居たら松尾君に掴まった、ってことにしたから」
「マジで何してるわけ!?」
勝手に話を作られたらしい。それから、ずっと笑顔の長宮さんと図書室に戻ると。
「……」
何故か結崎に睨まれていた俺だった。その横では楚原先生と蓮花寺さんが爆笑。うん。わからん。俺何もしてないのに――。
なので、もちろん何もなく。長宮さんが勝手について来た。ということを言ったら。
「ほらー、やっぱり勝手に話していただけじゃん!」
結崎が3人の方に文句?そして。
「ゆえってホント」
「松尾君の事は」
「即信じるんだねー。うんうん」
3人が顔を見合わせつつ頷いていた。って、楚原先生ちゃっかり最後に混ざっているというか。もう学生でもわからないと思います。
「もう!」
ちなみに結崎はしばらく牛?になっていた。
それからしばらく4人が何か話しそうだったので。
「あの、俺帰って――いいですか?」
何度か言ったのだが。しばらく相手をしてもらえない俺だった。
結局帰っていいのか全く分からず。でもなんかこの場に居ると――なので、準備室の掃き掃除をしていたというね。俺真面目。めっちゃいい子である。誰か褒めてよ。
結局4人の話が終わったのはそれから30分後。結崎1人が、超ぐったりしていたのだった。
ちなみに俺は準備室をピカピカにしておいた。というかあれだけ時間があればピカピカになるから。ビフォーアフターだっけ?始める時の写真撮っておけばよかったよ。
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