第36話 テスト期間
これは平和じゃない。いや、そこまで苦手ということでもないのだが。やっぱり得意とは言えないんだよな。
――テストって。
授業をサボったりとかいうことはないので、いや1回休んだ日はあるか。でもあれ以来は俺は休むこともサボることもなかったのでテストに関しては、そこまで心配はしていなかったのだが――それでもやっぱりね。テストとなると。大変なんだよ。
下手すると夏休みが減るからな。
テスト前というか。テストが近づくとさすがにクラスの雰囲気も――テストモードとなっている感じだったが。それでも気にしてない人は普通だったか。放課後遊びに行ったりとかの話が普通に放課後は聞こえたし。まあ確かに授業さえ聞いていれば赤点になることはないと思うが。
あっ、俺はちゃんと試験勉強してたからな?一応高校初の試験だし。いや訂正。実力テストがすぐにあったか。ってか、オリエンテーションとかでもなんかしたか?でもまああれは、今までしてきたところの範囲だし。今回の試験は高校の授業のものだから――これが初でいいだろう。だから俺は試験前真面目に勉強していた。
家に帰ったらちょっと真面目に勉強してみたりと。ド田舎は静かさは最強だからな。それに自分の部屋にこもってしまえば邪魔するものはないし。所々スマホの誘惑には負けていたが。家、部屋から出るということはなかったので、出ても木しか周りにはないからな。これが近くに知り合いとか居たら違うのかもしれないが。今の俺は電車に乗らなと知り合いとは会えないし。
俺の知り合いって少ないがな。試験期間に入ってから結崎や長宮さん蓮花寺さんに掴まることも無くなったし。連絡も特に来なかったしな。俺も送ることが無いから送らないし。って俺の知り合い網がなんかおかしいな。おかしい。
そして試験期間というのはあっという間だった。始まったらなんやかんやあって終わった。
終わったということは……もう試験の結果もわかっている。
テストの事を長々と語ることもないのでね。勉強とか思い出したくないしね。暗記で頭パンクってやつだよ。なのに試験本番に問題で出たところだけ思い出せないという……あーもう。である。なのでとっとと結果を言ってしまうと。
――なかなかいい結果となっていた。
今のところ俺はちゃんと授業内容を理解していたらしい。よかったよかった。ちょっと余計な事を言うと――俺の後ろの方がガックリしていたか。
「……細かいミスが多い」
とか言う結崎の声が返却時に何回か聞こえてきたな。
返却の時すぐには聞かなかったがその後日の放課後。帰り道か。こっちが試験明けの委員会帰り。結崎は部活再開後のその帰り。その時にたまたま一緒になって公民館前駅で別れるまで少し話したのだが。
どうやら高校に入るまでの事は完璧だった結崎。実力テスト確かトップだったよな。でも高校に入ってからは新しい生活というのと。人付き合いも多く今までのように復習が出来てなかったというのと。ちょっと何回か体調不良に結崎はなっていたので。授業の内容がちょっと飛んでいるところがあったらしく。ちょっと点数が低くなったらしい。ホントちょっとらしいがな。正確な点数は言えないとかで、合計点だけ教えてくれたか。
ってか、その合計点……俺とほぼ一緒というか上。クラスで言えば普通に上位というね。これで落ち込んでいたという。俺めっちゃ頑張ってこの点数だったんだが――。
あっそうそう。結崎が首位滑落。ということは誰かがクラスの首位になったのだが……もちろん俺ではない。結崎より下なんだからな。
その人物は俺はちょっと予想外だった。はっきり言えばマジで?と心の中で知った時に言ってしまった。
「にひひー。勝った!」
返却日の最後の時か。長宮さんが結崎のところに来てそんなことを言っていた。
あまり知らなかったのだが。クラスの人気者3名様女性陣の方ね。結崎、蓮花寺さんに長宮さん。この3人なかなか賢かったという。
いや、結崎が賢いのはすでに知っていたが。あとの2人も実力テストでは上位だったとか。今回の試験では合計点だけしか知らないが。それで順位を言うなら長宮さんトップ。蓮花寺さんは俺たちと同じくらいとか結崎が言っていたか。
ホント人は見た目で判断してはいけないらしい。遊びまくっているイメージある方々——なかなかだった。
結崎曰く長宮さんは勘がとっても良いとか言っていたな。ここが出る!とか勝手に予想してそこだけに賭けていたとか言っていたか。
そして今回はそれが完全にハマったらしく。クラストップ。まあ結崎が不調だったというのもあると思うが。それでもすごい。
あと蓮花寺さんは「授業聞いていたらこれくらいできるでしょ」とか言っていたか。勉強はしない派らしいが。どうなんだろうか。しないしない。という人に限ってめっちゃ家ではしているのだが――詳しいことはわからなかったがな。聞く勇気もないし。
ちなみにこれは余談だが、残りの人気者さん。在良君。大木君の2人の結果はたまたまというか。蓮花寺さんが教えてくれたのだが。下から数えた方が早いとのことだった。いや俺が聞いたわけではないだが。なんか蓮花寺さんが自然と教えてくれた。
とまあ試験終わってからの数日の出来事がこんな感じ。
試験が終わると後は授業という授業はもうない。面談や球技大会、大掃除。そんなことがあって――もう夏休みか。でも今年の夏休みは補習もなく。楽しい楽しい夏休み。ダラダラの夏休み。になるだろうと思っていた俺。
とりあえず試験が終わったから平和に戻った……と言いたかったが。まだあるんだよな。試験でちょっと忘れかけていたが。
俺の周りというか。クラスの人気者さんとよく話しているのがクラスの目に留まっていたのか。ちょっとしたことがこの後。夏休み前にあったんだよな。
◆
「なんか最近調子乗ってるよな」
「だな。あいつらもこっちにあまり来なくなったし」
「あいつのどこが良いんだ?」
「さあ?まあ調子乗ってるのは間違いないんじゃないか?」
「だよな。面白くないな――」
平和はホント続かない。
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