偏愛ショコラトール

作者 きさきみな

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★★★ Excellent!!!

ホラーが得意なきさきみなさんが、遂にカクヨムへ進出!!

主人公の御曹司・聖一朗は、子供では無い年頃ながら中身は幼い子供のようで、度々奇怪な言動を繰り返しては、周囲を困らせ、怖がらせ距離をつくっていた。

『あんな人は誰も好きにならない』

女中たちは陰でそんなふうに言うが、彼には想う人がいた。女中の花子だ。
子供の頃から自分の面倒をみてくれて、唯一の理解者である彼女が、何より好きだった。
しかし、彼女に見合いの話がきたことを知った聖一朗は、次第に恐怖で花子を縛り付けようとし始め、ついには、驚愕の一手に出る。

最初から最後まで気持ち悪さが拭えないのに、何故だか読むのを止められない作品です。笑
まんまと罠にかかってしまってる……⁉︎


恐怖と愛の究極の片想い、ご覧あれ!!

★★★ Excellent!!!

 今年で十八になるT財閥の御曹司、橘聖一朗は外見は人形のように綺麗な美少年だが、幼少期からの奇行癖と重度の人嫌いで友達もおらず、お見合いも破談になる日々が続いていた。そんな聖一朗が例外的に心を許しているのが、橘家に長く勤める花子で、その花子にも三十を超えた今年、縁談の話が現れ、受け入れようとは思っているのだが、どうしても孤独になる聖一朗のことが気がかりだ……、というのが本作の導入なのですが、
 この作品はとても怖い。ただ後半以降の展開には触れずに語るのは難しいのですが、狂気的な怖さを孕んだ本作は後半意外な方向へと物語が進んでいきます。
 歪。確かにそれは歪なのですが、歪んだ世界の中でどこまでもまっすぐな感情は、強烈な美しさを宿すことがあるのかもしれません。読後、タイトルに使われている、偏愛、という言葉は、何に、あるいは誰に向けられたものか、とあれこれ考えてしまいました。